答え:個別指導塾が高い本当の理由は、講師1人が見る生徒数を少人数に絞る指導形態によって、授業を担当する講師の人件費を少ない人数で分担せざるを得ない料金構造にあります。公開料金の例では、明光義塾は中学生の週1回で月16,500〜18,700円(神奈川・90分)、臨海セレクトは英語か数学の単科(100分・週1コマ)で中学生月15,500〜18,100円です。TOMASなど1対1専門の個別指導塾やプロ家庭教師の多くは料金を公開しておらず、講師や回数に応じた個別見積りです。年間では授業料のほかに入会金・教材費・季節講習費・模試代がかかります。「いくらか」を月謝表で見るだけでは判断できず、表面費用×実質コスト×家計適合の3軸で家計適合を判定する必要があります。
個別指導塾は「子どもに合わせられる」ことを最大の価値にする一方で、集団塾と比べて料金が高くなりやすい形態です。文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」(2026年1月16日訂正版)では、公立中3の補助学習費が年39.0万円と全学年で最も高い水準に達していますが、これは集団・個別・通信教育などを合わせた在籍者全体の平均です。個別指導の公開料金に当てはめると、明光義塾の中3 週2回(月33,000円・神奈川)を12か月続けた授業料だけで年39.6万円と、全国平均とほぼ並びます。
「個別指導はなぜ高いのか」「1対1の料金・授業料はいくらか」という問いに、漠然と「個別だから」と答えるだけでは、自分の家庭にとって妥当な料金水準かを判定できません。本記事では、個別指導塾の料金が高くなる費用構造を講師人件費・教室運営費・本部経費の3要素で分解し、講師1人あたりの生徒数や講師のグレードで料金がどう変わるかを整理します。そのうえで、臨海セミナー個別指導(臨海セレクト)・明光義塾・森塾の公開料金と文部科学省の統計を軸に、教育費アドバイザーの石川 恵美が提唱する「石川メソッド」の3軸(表面費用×実質コスト×家計適合)で、1対1料金が家計にとって妥当かを判定する手順を整理します。
目次
- 個別指導塾はなぜ高いのか
- 「高い」の正体:個別指導塾の費用構造を分解する
- 個別指導の1対1の料金はいくらか
- 1対1・1対2・1対3で時間あたり実質単価はどう変わるか
- プロ講師か学生講師か:「高さ」の意味が変わる分かれ目
- 臨海セミナー個別指導(臨海セレクト)の料金体系と1コマの構成
- 主要個別指導塾の1対1授業料の比較
- 表面費用:1対1の年間総額を費目ごとに積み上げる
- 実質コスト:1対1料金は「払える」か(石川メソッド3軸独自再集計表)
- 家計適合:年収帯別の負担率で1対1料金の妥当性を判定する
- 1対1料金に見合う学習者像/割高になる学習者像
- よくある質問
- まとめ:石川メソッドで「個別指導の高さ」を判断する
個別指導塾はなぜ高いのか
個別指導塾が高い本当の理由は、講師1人が見る生徒数を1〜3人に絞る指導形態そのものにあります。同じ1時間の授業でも、集団塾なら多人数で講師の人件費を分担できますが、1対1では1人がまるごと負担する構造です。個別指導の月謝は突拍子もない数字ではなく、講師人件費・教室運営費・本部経費の3要素を少人数で割った結果として導かれます。「高い」を漠然と感じる前に、料金の内訳を分解すると、自分の家庭にとってその高さが見合うかを判定できるようになります。
個別指導塾は、料金表に並ぶ授業料を見て「高い」と感じやすい形態です。文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」(2026年1月16日訂正版)の補助学習費(=家庭内学習費・通信教育・家庭教師費・学習塾費などの合計)を見ると、公立中3で年39.0万円・公立高3で年28.5万円が、集団・個別などを合わせた在籍者全体の平均です。一方、個別指導の公開料金では、明光義塾の中3 週2回が月33,000円(神奈川・90分)で、12か月分の授業料だけで年39.6万円になります。同じ通塾日数でも形態を少人数に絞るほど料金が上がる現象は、子どもへの指導密度の差というよりも、料金構造の差から生じています。
個別指導が高くなる根本的な仕組みは、講師1人あたりの生徒数を絞ることで指導の質を上げる代わりに、講師人件費を少人数で分担せざるを得ない点にあります。集団塾は、講師1人が多くの生徒を一斉に指導するため、1人あたりの授業料を抑えても講師の人件費をまかなえます。一方の個別指導は、講師1人あたりの生徒数が1〜3人に絞られるため、同じ講師の人件費をまかなうには、生徒1人あたりの授業料を高く設定しないと採算が合いません。
さらに、個別指導は「子どもに合わせる」ためのカリキュラム調整・進捗管理・面談などの間接コストもかかります。集団塾なら全員に同じカリキュラムを配ればよい部分が、個別指導では生徒ごとに教材を選び、進度を記録し、保護者と都度共有する手間が発生します。これらの間接業務に関わる人件費・システム費も、生徒1人あたりの月謝に上乗せされる構造になっています。
つまり「個別指導は高い」は、講師の質や教室の豪華さの問題ではなく、少人数指導という形態そのものの料金構造から生まれる現象です。次のセクションでは、この高さがどのように内訳を構成しているかを、講師人件費・教室運営費・本部経費の3要素に分解して見ていきます。
「高い」の正体:個別指導塾の費用構造を分解する
個別指導塾の料金は、講師人件費、教室運営費、教材・テスト・本部経費の3要素で構成されています。最大の要素とされる講師人件費は、講師1人あたりの生徒数で割って一人あたり負担に直す計算になるため、1対1なら生徒1人で講師人件費をまるごと負担し、1対3なら3人で分担する構造です。集団塾は同じ講師の人件費を多人数で分担できるため、生徒1人あたりの負担は大きく下がります。費用構造を3要素で分解すると、料金の「高さ」が指導の質の差ではなく、指導形態の差から生じていることが明確になります。
個別指導塾の料金は、講師の能力や教室の設備の差ではなく、少人数指導を成立させるための内訳から導かれます。各塾は原価の内訳を公表していないため、比率ではなく、それぞれの費用が生徒1人あたりの負担にどう効くかで整理します。
| 費用要素 | 生徒1人あたりの負担への効き方 | 内訳の例 |
|---|---|---|
| 講師人件費 | 講師1人あたりの生徒数が少ないほど大きくなる | 授業を担当する講師の時給・賞与・社会保険料相当 |
| 教室運営費 | ブースや面談スペースが要るぶん大きくなりやすい | 教室家賃・光熱費・受付スタッフ人件費・通信費 |
| 教材・テスト・本部経費 | 生徒ごとの進度管理のぶん積み上がる | テキスト・模試・カリキュラム作成・本部システム費 |
| 事業利益 | 運営会社ごとに異なる | 運営会社の利益・拠点拡大投資 |
当サイトが費用の性質を整理したもので、特定の塾の原価や比率を示すものではありません。
最大の費用項目とされるのが講師人件費です。これは、講師の時給1人分を、その時間に指導する生徒数で割って一人あたりの負担に直す計算になります。1対1なら生徒1人で講師人件費をまるごと負担し、1対3なら3人で分担するため、生徒1人あたりの講師人件費は生徒数に反比例して下がります。同じ講師の時給でも、生徒1人あたりの負担が違うため、料金にそのまま反映されます。
講師人件費に次いで効いてくるのが教室運営費です。個別指導塾は、生徒ごとにブースを設けたり、面談スペースや自習スペースを確保したりするため、集団塾よりも1人あたりの面積が広く必要になります。家賃・設備維持費も生徒数で割るため、教室1拠点あたりの定員が少ない個別指導は、生徒1人あたりの教室費負担が集団塾より高くなる傾向があります。
教材・テスト・本部経費は、個別指導の特徴である「子どもに合わせるカリキュラム調整」の見えにくいコストです。生徒ごとに進度や教材を変える運用は、本部のカリキュラム設計者・進捗管理スタッフの人件費、システム費を伴います。集団塾なら1つのカリキュラムで全員を回せる部分が、個別指導では個別最適化のためのバックヤード業務が積み上がる構造になっています。
講師人件費の分担構造を数値化する
講師の時給を仮に5,000円と置くと、集団塾(生徒30人で分担)では生徒1人あたり講師人件費は約167円/時間、1対3個別では約1,667円/時間、1対1個別では5,000円/時間となります(当サイトの試算で、特定の塾の値ではありません)。1対1は集団塾の30倍の講師人件費を、生徒1人で負担する構造です。料金の「高さ」を能力差で説明するのではなく、分担構造の差で説明できると、自分の家庭がこの分担構造に支払う価値を見出せているかを判定できます。
つまり「個別指導は高い」を構造分解すると、講師人件費の少人数分担に加え、教室の1人あたり面積の広さ、カリキュラム個別最適化のための本部経費が積み上がった結果として現れる料金水準です。料金の数字を「高すぎる/妥当」と判断するためには、自分の家庭がこの3要素にどれだけ価値を感じているかを照らし合わせることが起点になります。
個別指導の1対1の料金はいくらか
個別指導の料金は、公開料金のある塾で見ると、明光義塾(神奈川・90分・週1回)が小学生で月12,100〜14,300円・中学生で月16,500〜18,700円・高校生で月18,700〜20,900円、臨海セレクト(単科100分・週1コマ)が小3〜小6で月12,500円・中学生で月15,500〜18,100円・高校生で月19,400〜19,900円です。TOMASなど1対1専門の個別指導塾やプロ講師の1対1は料金を公開していないことが多く、個別見積りです。文科省「令和5年度子供の学習費調査」(2026-01-16訂正版)では公立中3の補助学習費が年39.0万円(在籍者全体の平均)で、明光義塾の中3 週2回の授業料12か月分(年39.6万円)とほぼ並びます。年間総額は授業料に入会金・教材費・季節講習費などを足して見込むと、家計負担を読み違えにくくなります。
1対1の個別指導の料金は、講師1人がその時間まるごと1人の生徒を指導する形態であるため、講師人件費を1人で負担する構造になります。同じ講師時給を1人で負担する1対1と、3人で分担する1対3とでは、生徒1人あたりの講師人件費は単純計算で3倍の差になります。学年が上がると科目の専門性が高まるため、公開料金でも学年が上がるほど授業料は高く設定されています。
| 学年 | 明光義塾(神奈川・90分・週1回) | 臨海セレクト(単科100分・週1コマ) | 主な料金変動要因 |
|---|---|---|---|
| 小学生 | 月12,100〜14,300円 | 月12,500円(小3〜小6) | 中学受験対応の有無・週コマ数 |
| 中学生 | 月16,500〜18,700円 | 月15,500〜18,100円 | 受験学年(中3)・科目数(5教科対応) |
| 高校生 | 月18,700〜20,900円 | 月19,400〜19,900円 | 大学受験対応・難関校対策・科目数 |
| 難関対策(医学部・難関大) | コース・講師で異なる | コース・講師で異なる | 1対1専門塾・プロ講師は個別見積りが多い |
出典:明光義塾「授業料シミュレーション」(神奈川県・90分授業)/臨海セレクト「料金」(2026年11月3日確認)。明光義塾は授業料のほかに諸経費・教材費、臨海セレクトは別途教材費がかかります。1コマの形式は、臨海セレクトが前半50分の1対2の個別指導またはタブレット授業+後半50分の演習です。
個別指導の料金は、月謝表の数字だけを見ると一定の幅に収まって見えますが、年間総額で見ると印象が大きく変わります。授業料×12か月に、入会金・教材費・季節講習費・模試費・施設維持費などが加わるためです。文科省統計では、公立中3の学習塾費の平均は年341,220円で、学習塾費には入会金・授業料・講習会費・教材費・模試代などが含まれます。月謝だけで年間の負担を見積もらないことが、個別指導の料金を判断する際に必ず押さえておく点です。
文科省 公立中3=年39.0万円 vs 明光義塾 中3 週2回=年39.6万円
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」(2026-01-16訂正版)の公立中3 補助学習費=年39.0万円は、塾に通っていない家庭も含めた在籍者全体の平均です。一方、明光義塾の中3 週2回の授業料(月33,000円・神奈川)を12か月分にすると年39.6万円で、授業料だけで全国平均とほぼ並び、教材費・講習費を足すと上回ります。1対1専門の個別指導塾は料金を公開していないことが多く、見積りの年間総額をこの全国平均と並べて、どれだけ上振れするかを契約前に把握しておく必要があります。
比較の基準を持っておくと、個別指導の料金水準を判定しやすくなります。たとえば臨海セミナー個別指導(臨海セレクト)は、1コマ100分の単科で中学3年生が月18,100円、高校3年生が月19,900円という公開料金です。これは1対1ではなく、1コマ100分のうち前半50分が1対2の個別指導またはタブレット授業による解説、後半50分が演習という構成のため、1対1の料金とは指導密度の前提が異なります。同じ「個別指導」でも講師1人あたりの生徒数と1コマの内訳を確認しないと、料金の比較が成立しません。
さらに、難関大対策・医学部対策・特定科目特化(英語・数学・物理)などのプロ講師1対1コースは、一段高い水準に設定されることが多く、料金は個別見積りが中心です。講師の能力単価そのものが料金に反映される領域で、「とにかく合格させたい」家庭が選ぶ層であり、家計負担の判断軸も他の個別指導とは別に立てる必要があります。
1対1・1対2・1対3で時間あたり実質単価はどう変わるか
同じ「個別指導」でも、講師1人が見る生徒数が1対1か1対2か1対3かで、生徒1人が負担する講師人件費と、講師が自分だけを見てくれる時間は変わります。講師の時給を仮に3,000円とし1コマ80分とすると、生徒1人あたりの講師人件費は1対1で4,000円、1対2で2,000円、1対3で約1,333円ですが、講師が自分だけを見ている時間で割り直すと、どの形態も1時間あたり3,000円で同じになります。料金表で1対3が割安に見えても、講師に見てもらえる時間で見ると差はなく、実際の料金差は教室運営費や各塾の料金設定から生まれます。料金と指導密度を両方の軸で見る必要があります。
個別指導と一口に言っても、1対1・1対2・1対3で料金と指導密度は大きく変わります。料金の差だけを見ると1対3が最も「安い」ように見えますが、1コマあたりの「実質的に自分が指導を受けている時間」を考慮すると、時間あたり単価の見え方は変わります。
| 講師あたり生徒数 | 生徒1人が負担する講師人件費(1時間・試算) | 1コマ80分の負担(試算) | 実質指導時間/コマ | 実質指導時間1時間あたり |
|---|---|---|---|---|
| 1対1 | 3,000円 | 4,000円 | 約80分(全時間) | 3,000円 |
| 1対2 | 1,500円 | 2,000円 | 約40分(半分) | 3,000円 |
| 1対3 | 1,000円 | 約1,333円 | 約27分(1/3) | 3,000円 |
講師の時給を仮に3,000円と置いた当サイトの試算です。講師人件費だけを分担した場合の理論値で、教室運営費・本部経費や各塾の料金設定は含みません。実質指導時間は「講師が自分だけを見ている時間」の理論値で、塾の運用方針により実際は異なります。
講師人件費だけで見ると、1対3は1対1の3分の1の負担です。しかし、1コマあたりの「講師が自分だけを見ている時間」で割り直すと、どの形態も同じ単価になります。つまり1対2・1対3の安さは、講師が他の生徒の様子を見たり、他の生徒の問題演習を待ったりする「待ち時間」を生徒が許容することで成立しています。実際の料金が講師の人数比どおりに下がっていない塾では、講師に見てもらえる時間あたりの単価が1対1より高くなる場合もあるため、見積りの月額を実質指導時間で割って確かめると判断しやすくなります。
ただし、これは「実質指導時間」を理論値で計算した場合の話で、実際の塾運営では1対2・1対3でも「個別の演習指示→講師による個別フィードバック」を巡回式で回す方式が多く、待ち時間自体に学習価値(自力で演習する時間)を含めて設計されています。1対2・1対3が悪いわけではなく、講師の説明よりも演習量を増やしたい子・自学が得意な子には1対2・1対3が向き、講師の説明が必要な単元・苦手科目には1対1が向くという使い分けが妥当です。
形態を比べるときは「講師の人数比」と「解説の時間」をそろえる
個別指導の料金表は、塾ごとに1コマの分数・講師1人あたりの生徒数・解説と演習の配分が違うため、月額だけを並べても比べられません。見積りを取るときは、(1)1コマの分数、(2)講師1人あたりの生徒数、(3)そのうち講師が解説する時間、の3点をそろえて聞くと、1対1と1対2・1対3の料金差が指導密度の差に見合っているかを判定できます。
1対1が高くなる理由を「時間あたりの実質単価で見れば妥当」と理解できると、料金表の数字に振り回されずに、自分の家庭にとって必要な指導密度から逆算して形態を選べるようになります。次のセクションでは、同じ1対1でも「プロ講師」と「学生講師」で高さの意味が変わる点を整理します。
プロ講師か学生講師か:「高さ」の意味が変わる分かれ目
同じ1対1でも、プロ講師か学生講師かで料金と指導品質は大きく変わります。講師の区分と料金の区分は塾ごとに異なり、プロ講師の1対1は料金を公開せず個別見積りとしている塾が多いため、契約前に講師区分と1時間あたりの料金を見積りで確かめる必要があります。講師の能力単価そのものが違うため、料金の「高さ」が能力に見合うかを判定する基準を別に立てる必要があります。中学生の基礎固めや高校受験対策には学生講師が、難関大学・医学部対策や苦手科目の根本的な立て直しにはプロ講師が向く、という使い分けが妥当です。
個別指導塾の1対1料金が広い幅で設定されている背景には、講師タイプの違いがあります。同じ1対1の指導形態でも、社員雇用のプロ講師と、アルバイトの学生講師では、講師の能力単価そのものが違うため、料金水準も別の階層に分かれます。講師グレード別の特徴は以下のように整理できます。
| 講師グレード | 料金の示し方 | 主に向く用途 | 主な属性 |
|---|---|---|---|
| 学生講師 | 講師区分ごとの料金を設ける塾が多い | 基礎の定着・宿題管理・定期テスト対策 | 大学生・大学院生・自身の合格経験を活かす |
| 社会人講師 | 塾・事業者により異なる | 苦手科目の立て直し・高校受験対策 | 専業講師・元教員など |
| プロ講師 | 個別見積りが多い | 難関校対策・大学受験の専門科目 | 社員講師・教科専門 |
| 医学部・難関校対策プロ | 個別見積りが多い | 医学部受験・最難関大対策 | 合格実績特化・医学部受験・最難関大対策 |
講師区分の名称・料金区分は塾・事業者により異なります。当サイトが講師グレードごとの特徴を整理したもので、特定の事業者の料金ではありません。
学生講師の1対1は、プロ講師より料金が低めに設定されることが多い区分です。学生講師は自身の受験経験が新しく、生徒との年齢が近いことで質問しやすい雰囲気を作りやすい強みがあります。基礎学力の定着・宿題管理・苦手意識の解消・高校受験対策の中位校層には十分機能する選択肢です。中学生の塾代月平均ガイドでも、中学生の個別指導の公開料金と家計設計を整理しています。
プロ講師の1対1は、社員講師として教科指導を本業にしている人材が担当するため、料金は学生講師より高い階層に置かれ、個別見積りとしている塾が多い区分です。難関校対策・医学部対策・苦手科目の根本的な立て直しなど、講師の指導力そのものが学習効果を左右する場面で価値を発揮します。高校生の塾代月平均ガイドでも整理しているように、高校生の個別指導は科目の専門性が高まります。とくに大学受験の塾代月平均ガイドで扱う難関大・医学部対策では、医学部・難関校対策のプロ講師の1対1が選択肢になります。
講師グレードの差が「同じ1対1」の料金幅を作る
講師の時給が仮に2,000円と10,000円なら、1時間あたり8,000円の差があります。1コマ80分・月4回・年間48コマで計算すると、講師人件費だけで年間512,000円の差になります(当サイトの試算)。「同じ1対1」と呼ばれる契約でも、講師グレードを確認しないと、家計負担の見積もりが大きくぶれる構造です。契約前に必ず講師グレードを確認し、自分の家庭の用途に合うグレードを選ぶことが、実質コストの判定の起点になります。
「個別指導は高い」と一括りにせず、「学生講師の1対1なのか、プロ講師の1対1なのか」を確認すると、料金の幅の理由が見えてきます。見積りの月額を講師グレードとセットで比べるだけで、契約前の比較が大きく変わります。
臨海セミナー個別指導(臨海セレクト)の料金体系と1コマの構成
臨海セミナー個別指導(臨海セレクト)は、神奈川・東京・千葉・埼玉で展開する個別指導塾で、1コマ100分・週1コマの単科から受講できます。1コマの内訳は、前半50分が1対2の個別指導またはタブレット授業による解説、後半50分が臨海徹底指導プログラム(TSP)による類題演習です。単科の月額授業料は中学1年生・2年生が15,500円、中学3年生が18,100円、高校生が19,400〜19,900円で、週1コマを月4回として換算すると中学3年生で1コマ4,525円・時間単価2,715円になります。学年別・コース別の月額が公開されているため、入塾前に年間総額を試算できる構造です。
臨海セミナー個別指導(臨海セレクト)は、神奈川県を中心に首都圏(東京・千葉・埼玉)で教室を展開する臨海グループの個別指導です。同じグループに集団指導の臨海セミナーがあるため、「メインは集団・苦手科目だけ個別」「中3夏まで集団・直前期は個別」といった組み合わせが料金面で組みやすい構造です。学年別・コース別の月額授業料が公式サイトで公開されており、家計設計の起点として把握しやすい個別指導塾の一つです。
1コマ100分の内訳 ── 解説50分+演習50分
料金を比べる前に、1コマの中身を確認しておきます。臨海セレクトの通常授業は1コマ100分で、前半50分と後半50分で役割が分かれます。前半50分は1対2の個別指導またはタブレット授業による解説、後半50分は臨海徹底指導プログラム(TSP)にあてられ、前半で学習した内容の問題を解き、正解できなかった内容の類題を解けるまで繰り返します。TSPの時間にも担当講師の指導・説明が付きます。
この構成は、前章で見た1対1・1対2・1対3の枠組みとは前提が異なります。1対2の解説が50分あり、残り50分は演習とフィードバックにあてられる設計のため、「講師の解説を受ける時間」と「自力で解く時間」が1コマの中で明確に分かれています。解説の密度を最優先するなら1対1、演習の定着まで塾内で完了させたいならこの設計、という使い分けになります。
学年別・コース別の月額授業料
公開されている月額授業料と、週1コマを月4回として換算した1コマあたりの料金を並べます。
| 学年・コース | 授業時間 | 月額授業料(税込) | 1コマあたり | 時間単価 |
|---|---|---|---|---|
| 小3〜小6 単科(個別授業+TSP) | 100分/週1コマ | 12,500円 | 約3,125円 | 約1,875円/時間 |
| 中1・中2 単科(個別授業+TSP) | 100分/週1コマ | 15,500円 | 約3,875円 | 約2,325円/時間 |
| 中3 単科(個別授業+TSP) | 100分/週1コマ | 18,100円 | 約4,525円 | 約2,715円/時間 |
| 高1 単科(個別授業+TSP) | 100分/週1コマ | 19,400円 | 約4,850円 | 約2,910円/時間 |
| 高2 単科(個別授業+TSP) | 100分/週1コマ | 19,650円 | 約4,913円 | 約2,948円/時間 |
| 高3 単科(個別授業+TSP) | 100分/週1コマ | 19,900円 | 約4,975円 | 約2,985円/時間 |
| 中1・中2 5科ミックスコース | 週3日通塾 | 40,360円 | — | — |
| 中3 5科ミックスコース | 週3日通塾 | 46,740円 | — | — |
出典:臨海セレクト「料金」/臨海セレクト「よくある質問」(2026年11月3日確認)。1コマあたりと時間単価は、週1コマを月4回として当サイトが換算した参考値です。別途教材費がかかり、そのほかの費用は教室で確認が必要です。地域・コース・コマ数により料金は変動します。
単科の時間単価を、前章の試算と並べてみます。前章では講師の時給を仮に3,000円と置くと、講師に見てもらえる時間1時間あたりの講師人件費はどの形態も3,000円でした。臨海セレクトの中3単科は、授業料を1コマ100分全体で割って約2,715円/時間です。1コマ100分という長さと、演習時間を含めた設計が、この数字を生んでいます。
ただし、この比較には注意が必要です。前章の数字は講師人件費だけの理論値であり、臨海セレクトの2,715円/時間は授業料を1コマ100分全体で割った値です。解説を受ける時間だけで見れば前半50分にあたるため、単価の意味が同じではありません。金額の低さは、解説と演習を1コマにまとめた設計と、100分という長さから生まれていると理解するのが正確です。
還元制度と、集団指導との料金の連続性
実質コストを下げる仕組みとして、兄弟姉妹が同時に在籍している場合に、年齢が下の生徒の月額授業料から2,000円が割引される制度があります(季節講習は対象外)。また中学生は、どのプランで通っていても年間20回のテスト対策(勉強大会)に参加費無料で参加できます。石川メソッドの第2軸で見ると、確定条件で決まる還元と、授業料に含まれる付帯サービスの両方を持つ設計です。
もう一つの特徴は、集団指導との料金体系の連続性です。臨海セミナー本体(集団指導)の中3 5教科コースが月25,300〜29,700円(時期で変動)であるのに対し、臨海セレクトの中3は単科が月18,100円、5科ミックスコースが月46,740円。単科なら集団より低く、5科パックなら集団より高いという位置関係になり、同じ運営会社内で「集団→個別」「集団+個別の併用」のシミュレーションを、同一料金体系の中で組み立てられます。個別指導塾の料金相場・全学年まとめでも、臨海セミナー個別指導の料金体系を学年別に整理しています。
料金公開の意味:「契約前に年間総額を試算できるか」が家計設計の起点
料金が公開されている塾は、年間総額の試算が契約前にできるため、家計予算との照合が可能です。一方、料金非公開の個別指導塾(個別教室のトライ・東京個別指導学院・TOMASなど)では、教室カウンセリング後に料金が提示される運用が多く、契約前の総額試算が難しい構造です。家計設計を起点に塾選びを始める場合、料金公開塾を起点候補に据えるアプローチが、判断材料の網羅性で優位に立ちます。
主要個別指導塾の1対1授業料の比較
主要個別指導塾の授業料は、料金を公開しているかどうかで比べ方が変わります。明光義塾は授業料シミュレーションで月額を公開しており、中3の週1回で月18,700円・週2回で月33,000円(神奈川・90分)。森塾は「先生1人に生徒2人まで」で中学生月11,700円〜(首都圏・週1回・月3回)。東京個別指導学院・個別教室のトライ・TOMAS・家庭教師のトライは料金を公開しておらず個別見積り、武田塾は公式FAQで受験生の年間60万〜120万円ほどを目安として示しています。早稲田アカデミー個別進学館は難関私立国立特化のニッチコースです。1対1料金を比較する際は、月謝の安さよりも「年間総額が把握しやすいか」「自分の家庭の使い方に必要な指導密度を確保できるか」を起点に判断するのが妥当です。
個別指導塾の大手として、明光義塾、東京個別指導学院、個別教室のトライ、TOMAS、ITTO個別指導学院、武田塾、城南コベッツ、家庭教師のトライ、早稲田アカデミー個別進学館などがあります。各社で1対1コースの設計思想・料金体系・対応学年が異なるため、料金水準だけで横並びに比較するのは難しい領域です。並列して整理すると以下のようになります。
明光義塾(主要個別塾で数値公表が比較的明確)
明光義塾は、公式サイトの授業料シミュレーションで学年・週の回数ごとの月額授業料を公開しています。神奈川・90分授業では、中1・中2の週1回で月16,500円・週2回で月30,800円、中3の週1回で月18,700円・週2回で月33,000円、高3の週1回で月20,900円・週2回で月37,840円です。授業料のほかに諸経費・教材費がかかります。中3の週2回を12か月分にすると年396,000円で、文科省統計の公立中3の補助学習費(年39.0万円)とほぼ並ぶ水準です。
東京個別指導学院
個別指導塾で、料金は公式サイトで公開されておらず、教室カウンセリング後の提示となるため、契約前の年間総額試算は教室での確認が必要です。
個別教室のトライ
家庭教師のトライと同じグループの個別指導塾。料金は公式サイトで公開されておらず、講師タイプ・回数に応じた個別見積りです。プロ講師を選ぶと料金は上がるため、見積りでは講師区分と1時間あたりの料金をそろえて聞くと比べやすくなります。
TOMAS(完全1対1)
完全1対1の個別指導塾。料金は公式サイトで公開されておらず、教室での個別見積りです。講師の能力単価そのものが料金に反映される位置づけで、難関校・医学部志望者の選択肢として位置づけられます。見積りの年間総額を文科省 公立中3 補助学習費(全国平均)=39万円と並べ、どれだけ上振れするかを確認してから判断してください。
武田塾(自学管理特化のメンター制)
「授業をしない」自学管理型の個別指導塾。講師が学習計画と進捗確認を1対1で行う形式で、伝統的な1対1指導とは別カテゴリ。料金表は公開されておらず、公式FAQでは受験生(高校3年生・既卒生)の年間費用を60万円から120万円ほどと案内しています。難関大対策に特化した自学管理サービスの一形態として理解する必要があります。
家庭教師のトライ(プロ家庭教師の選択肢)
個別指導塾の延長線上にある選択肢として、プロ家庭教師サービスがあります。家庭教師のトライの料金は公式サイトで公開されておらず、講師や指導時間に応じた個別見積りです。家庭教師は通塾時間が不要で講師の自宅訪問またはオンラインで実施されるため、難関校志望・部活との両立・通塾困難な事情がある家庭の選択肢になります。
早稲田アカデミー個別進学館(難関私立国立特化のニッチ)
早稲田アカデミーが運営する個別指導コース。難関私立・難関国立志望者向けに特化したニッチコースで、集団指導の早稲田アカデミー本体と同様、難関私国立特化の文脈で位置づけられる選択肢です。当サイトでは公開の料金表を確認できなかったため、金額は記載していません。
料金の示し方で塾を3層に整理する
主要個別指導塾を料金の示し方で整理すると、(1)料金公開型=明光義塾・森塾・臨海セレクト(月額を公式サイトで公開)、(2)個別見積り型=東京個別指導学院・個別教室のトライ・TOMAS・家庭教師のトライ(料金は教室・面談で提示)、(3)目安提示型=武田塾(公式FAQで受験生の年間60万〜120万円ほど)の3層に分かれます。早稲田アカデミー個別進学館は難関私国立特化のニッチです。臨海セレクトは1コマ100分の単科が月12,500〜19,900円、5科ミックスコースが中1・中2で月40,360円、中3で月46,740円と、受講量によって金額の幅が大きい設計です。家庭の予算上限と目的を照らし合わせ、料金公開型で年間総額の基準を作ってから見積り型と比べるアプローチが、年間総額の見通しを誤らないコツです。
これらの大手で「1対1」と銘打ったコースを比較する際の注意点は、コースの設計思想がそれぞれ異なる点です。たとえば武田塾は「授業をしない」自学管理型で、講師が学習計画と進捗確認を1対1で行う形式であり、伝統的な1対1指導とは別カテゴリです。同じ「個別指導」「1対1」という言葉を使っていても、塾の主軸が違うことで料金構造も変わります。
料金の数字だけを横並びに比較するよりも、自分の家庭が必要な指導密度(科目数・コマ数・講師タイプ)を先に決めて、それを満たす料金構造の塾を選ぶアプローチが妥当です。地域別の塾類型としてどの塾が候補になるかを具体的に検討する場合は、姉妹サイトの神奈川県の高校受験塾の徹底比較もあわせてご参照ください。神奈川エリアの主要7類型から自分の家庭の方針に合う塾を見つけやすくなります。
表面費用:1対1の年間総額を費目ごとに積み上げる
石川メソッドの第1軸「表面費用」は、塾が提示する月謝×12に、入会金・教材費・季節講習費・模試費・施設維持費を加えた年間総額です。公開料金の例では、明光義塾の中3 週2回の授業料が年396,000円(神奈川)で、ここに諸経費・教材費・講習費が加わります。文科省統計の公立中3の学習塾費の平均(年341,220円)には、授業料のほか入会金・講習会費・教材費・模試代も含まれます。「月謝×12」だけで年間総額を見積もると、講習費などを見落とします。表面費用は塾選びの起点として、契約前に網羅的に積み上げて「最大の負担見込み」として把握する数字です。
石川メソッドの第1軸である「表面費用」は、塾が提示する年間総額を網羅的に積み上げて、契約前の最大負担見込みを正確に把握する判断軸です。個別指導塾の1対1コースの場合、月謝に加えて次の費目が年間総額に積み上がります。
| 費目 | 公開料金・統計の例(中学生) | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 月謝(基本料金)×12 | 明光義塾 中3 週2回 33,000円×12=396,000円(神奈川) | 授業料表・見積りの月額×12 |
| 入会金(初年度のみ) | 森塾は通常2万円(キャンペーンによる免除あり) | 入塾時の案内で確認 |
| 教材費(年額) | 明光義塾・臨海セレクトは授業料とは別 | 学年・科目数で異なるため教室で確認 |
| 季節講習費(春・夏・冬) | 追加するコマ数で決まる | 講習の案内でコマ数と単価を確認 |
| 模試費 | 受ける模試の数で決まる | 年間の受験回数を決めてから積算 |
| 施設維持費・運営費 | 塾で名称・金額が異なる | 月額か年額かを確認 |
| 年間総額(目安) | 上記の合計 | 文科省 公立中3の学習塾費 平均341,220円と比べる |
出典:明光義塾「授業料シミュレーション」(神奈川県・90分授業)/森塾「授業料」/臨海セレクト「料金」/文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」調査結果の概要(表6)(2026年11月3日確認)。費目の金額は塾・学年・コースで異なります。
授業料以外の費目の大きさは、文科省の統計からも読み取れます。公立中3の学習塾費の平均は年341,220円で、この学習塾費には入会金・授業料・講習会費・教材費・模試代などが含まれます。料金が公開されていない個別指導塾の年間総額を見積もる場合は、見積りの月額×12に、入会金・教材費・季節講習費・模試費・施設維持費を一つずつ足していくと、実態に近い数字に到達できます。
季節講習費は個別指導の年間総額に大きく影響します。集団塾の臨海セミナーでも、中3の1〜3月は入試直前最終特訓が5教科一括で53,240円(神奈川)と、通常の月謝とは別の金額がかかります。個別指導で季節講習のコマを追加すると、追加したコマ数の分だけ年間総額が増えます。月謝部分だけで年間総額を判断すると、季節講習費の積み上げを見落としやすい構造です。
月謝×12だけでは年間総額にならない
個別指導の月謝を「月謝×12」と単純計算してしまうと、入会金・教材費・季節講習費・模試費・施設維持費の分だけ、年間総額との間にギャップが生まれます。たとえば明光義塾の中3 週2回は授業料だけで年396,000円(神奈川)で、ここに諸経費・教材費・講習費が加わります。費目を一つずつ積み上げてから判断すると、月額表示の印象に振り回されずに、年間総額の最大見込みから判断できます。表面費用は「月謝の数字」ではなく「費目の合計」で押さえるのが、石川メソッド第1軸の核となる扱い方です。
実質コスト:1対1料金は「払える」か(石川メソッド3軸独自再集計表)
石川メソッドの第2軸「実質コスト」は、表面費用から各種割引(兄弟・紹介・早期申込)を差し引き、さらに本当に必要な科目・コマ数まで絞ったあとの、家計が実際に負担する金額です。文科省 公立中3 補助学習費(全国平均)=年390,000円を共通の比較基準に置き、集団塾(臨海セミナー 中3 5教科の通常授業料273,240円)・個別指導(明光義塾 中3 週2回の授業料396,000円)の公開料金と並べると、形態間の表面費用の差が見えてきます。1対1専門の個別指導塾とプロ家庭教師は料金が公開されていないため、見積りの年間総額をこの基準と並べて判定します。
石川メソッドの第2軸「実質コスト」は、表面費用の数字をそのまま家計判断に使わず、実際の家計支出に直して扱う判断軸です。塾選びでは表面費用の「年間総額」が判断の起点になりますが、家計が「払い続けられるか」を決めるのは、各種割引を差し引き、必要な科目・コマ数まで絞り込んだ実質コストです。同じ公立中3でも、選ぶ形態(集団・1対2・1対1・家庭教師)で実質コストが大きく変わるため、形態間比較で実質コストの構造を可視化すると、自分の家庭にとっての妥当な選択が見えてきます。
| 学年・進路パターン | ①表面費用(年額) | ②実質コスト(年額) | ギャップ(実質−表面) | ③家計適合(可処分所得比) | 累積負担(通塾期間) |
|---|---|---|---|---|---|
| 公立中学校3年生・集団塾(週3コマ) | 273,240円※1 | 390,000円※2 | +116,760円(隠れコスト主導) | 5.9% | 390,000円(単年) |
| 公立中学校3年生・個別指導(週2コマ) | 396,000円※3 | 390,000円※2 | −6,000円(拮抗) | 5.9% | 390,000円(単年) |
| 公立中学校3年生・個別1対1(週2コマ) | 個別見積り※4 | 390,000円※2 | 算出不可 | 5.9% | 390,000円(単年) |
| 公立中学校3年生・家庭教師(プロ・週1) | 個別見積り※4 | 390,000円※2 | 算出不可 | 5.9% | 390,000円(単年) |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」調査結果の概要(表6)/臨海セミナー「中学部 授業料」/明光義塾「授業料シミュレーション」(神奈川県・90分授業)/厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」統計表 第5表(児童のいる世帯 平均可処分所得658.8万円)より石川メソッド3軸で独自再集計(2026年11月3日確認)。
※1:臨海セミナー中3 5教科コース(神奈川) 月25,300円×4か月+月29,700円×4か月+1〜3月の入試直前最終特訓53,240円。季節講習費・教材費等は含まない
※2:文科省 公立中3 補助学習費=390,000円(在籍者全体の平均。形態を問わない)
※3:明光義塾 中3 週2回 月33,000円×12(神奈川・90分)。諸経費・教材費・講習費は含まない
※4:TOMAS・個別教室のトライ・東京個別指導学院・家庭教師のトライなどは料金が公開されておらず、表面費用は算出していない
この4パターン比較から読み取れる構造は3点あります。第一に、②実質コストの基準である文科省の補助学習費は形態を問わない全国平均のため、家計適合は5.9%(適正範囲)で形態による差は出ず、形態の差は①表面費用に表れる点。第二に、集団塾(臨海セミナー)の通常授業料は全国平均を116,760円下回り、季節講習費・教材費などを足して全国平均に近づく構造であるのに対し、個別指導(明光義塾 週2回)は授業料だけで全国平均とほぼ並ぶ点。表面費用を可処分所得で割ると、集団4.1%・個別6.0%です。第三に、1対1専門の個別指導塾とプロ家庭教師は料金が公開されておらず、見積りを取らないと表面費用そのものが分からない点。見積りの年間総額を可処分所得で割り、5.9%の水準と比べることが判断の出発点になります。
1対1コースを選ぶ場合、見積りの年間総額を可処分所得で割った値が10%を超えるかどうかが一つの目安になります。教育費比率10%は、住宅ローン・老後資金形成と並行する家計の中で、塾費用単独の負担としては上限に近い水準です。年収帯別の負担率を補助テーブルで確認することで、自分の家庭の年収レンジで負担率がどう変動するかを把握できます。
著者の書籍より
石川メソッド ── 払える、より、払い続けられる。
塾選びでは「還元」の評価が判定の分かれ目になります。確実な還元(兄弟割引・自治体助成・早期申込)と不確実な還元(特待生制度・成績優秀者割引)を区別して扱わないと、契約前の年間総額試算が大きく狂います。本書では、表面費用から実質コストに落とし込む手順を、誠実な還元評価のチェックリストとともに整理しています。「個別指導は高い」と感じる契約前に、家計が実際に払う金額の輪郭を正確に掴むための判断軸を体系化しました。
家計適合:年収帯別の負担率で1対1料金の妥当性を判定する
石川メソッドの第3軸「家計適合」は、実質コストが世帯の可処分所得に対してどの位置にあるかを年収帯別に判定する判断軸です。公開料金のある個別指導の代表値として、明光義塾の中3 週2回の授業料(年396,000円・神奈川)で計算すると、年収400万円未満の世帯では負担率12.9%(注意水域)、400-600万円帯で10.3%(注意水域)、600-800万円帯で7.4%(適正範囲)、800-1000万円帯で5.7%(適正範囲)、1000-1200万円帯で4.7%(余裕あり)。個別指導の料金が「払える」かは、世帯年収帯によって判定が変わります。1対1専門の塾は見積りの年間総額で同じ計算をすると、判定が1〜2段階上がる可能性があります。家計適合は「料金が高いか」ではなく「自分の家庭で持続的に払えるか」を判定する起点になります。
個別指導の代表値=明光義塾の中3 週2回の授業料396,000円を、世帯年収帯別の可処分所得目安に当てはめて、家計適合(可処分所得比)を試算した結果が以下です。石川メソッドの判定基準(5%未満=余裕あり、5-10%=適正、10-15%=注意、15%超=危険)に照らして判定します。
| 世帯年収帯 | 可処分所得目安 | 実質コスト負担率(個別指導=396,000円) | 判定 | 教育費総額負担率の参考目安※1 |
|---|---|---|---|---|
| 400万円未満 | 約307万円 | 12.9% | 注意水域 | 約12.4% |
| 400-600万円 | 約384万円 | 10.3% | 注意水域 | 約12.2% |
| 600-800万円 | 約538万円 | 7.4% | 適正範囲 | 約9.1% |
| 800-1000万円 | 約692万円 | 5.7% | 適正範囲 | 約8.6% |
| 1000-1200万円 | 約845万円 | 4.7% | 余裕あり | 約8.1% |
| 1200万円以上 | 約922万円〜 | 4.3%以下 | 余裕あり | 約7.9% |
※1 計算根拠:文科省「令和5年度子供の学習費調査」表10-1 世帯の年間収入別 公立中学校の学習費総額 ÷ 各年収帯の可処分所得目安。学校教育費・学校給食費・学校外活動費を含むため、負担率は塾代単独の負担率より大きくなる。
出典:厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」統計表 第5表・第6表、文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」調査結果の概要(表10-1)、明光義塾「授業料シミュレーション」(神奈川県・90分授業)より独自試算(2026年11月3日確認)。可処分所得目安は、各年収帯の中央値(400万円未満は400万円、1,200万円以上は1,200万円)に、児童のいる世帯の平均可処分所得÷平均所得(658.8万円÷857.3万円≒76.8%)を掛けた概算値。
この表から読み取れる構造的事実は2つあります。第一に、明光義塾の中3 週2回の授業料(年396,000円)でも、年収600万円未満の世帯では注意水域の負担率になる点です。厚生労働省「2025年国民生活基礎調査」によれば、児童のいる世帯の所得の中央値は766万円で、600万円未満の世帯は30.5%を占めます。1対1専門の塾やプロ家庭教師は見積りの年間総額がこれを上回ることが多く、注意水域に入る年収帯はさらに広がります。「個別指導は高い」は、所得の低い帯の家庭にとって構造的に正しい認識であり、政府統計の家計データで裏付けられます。
第二に、教育費総額負担率は塾代以外の学校教育費・給食費・習い事等を含む合算であり、塾代単独の家計適合と二重で見る必要がある点です。公立中学校でも、年収600万円未満の世帯では学習費総額が可処分所得の12%台に達します。塾代単独で10%を超える選択は、塾代以外の教育費を抑える方向で家計を組み直す前提を伴います。
1対1を選ぶ家庭が押さえておくべきは、「料金が高いか」ではなく「自分の家庭で持続的に払えるか」という判定軸の違いです。世帯年収600万円未満の家庭で個別指導を週2回以上、あるいは1対1を選ぶ場合、(1)兄弟割引・紹介割引・自治体助成を網羅して実質コストを下げる、(2)苦手科目だけに絞ってコマ数・科目数を絞り込む、(3)集団塾+苦手科目だけ1対1の併用に切り替える、(4)別の家計費目を抑える、のいずれかが必要です。年収帯と1対1料金の適合性を起点に、塾選びの選択肢を組み立てるのが、石川メソッド第3軸の使い方です。
児童のいる世帯の所得の中央値=766万円と、600万円未満の30.5%
厚生労働省「2025年国民生活基礎調査」によれば、児童のいる世帯の所得の中央値は766万円、年収600万円未満の世帯は30.5%です。明光義塾の中3 週2回の授業料(年396,000円)では、600万円未満の帯が注意水域、600万円以上が適正範囲以下に切り替わります。1対1専門の塾は見積りの年間総額で同じ計算をすると、境界はさらに上の年収帯に移ります。「1対1は高い」は感覚ではなく、政府統計と公開料金から裏付けられる家計実態として認識する必要があります。
1対1料金に見合う学習者像/割高になる学習者像
同じ1対1料金でも、家庭の状況によって「妥当な投資」か「割高な出費」かに分かれます。1対1が妥当な学習者像は、苦手科目の根本的な立て直しが必要な子・集団塾では質問できずに置いていかれてしまう子・志望校までの距離が大きく専門家の進捗管理が必要な子です。逆に、自学が進んでおり進度の確認だけで十分な子・全科目をまんべんなく仕上げたい子・複数科目を低単価で広く押さえたい子には1対1は割高になりやすく、1対3や集団塾の方が時間あたりの実質単価が見合います。「個別指導が高いか安いか」ではなく、「自分の子どもが1対1料金に見合う使い方をしているか」が判定の起点になります。
個別指導の1対1は、料金水準を家庭ごとの使い方で「妥当」にも「割高」にも変えてしまう形態です。料金の数字を見て「高い」と感じる以上に、自分の子どもにとって1対1の付加価値が必要かを判定することが、実質コストの判定の起点になります。
| 学習者の状況 | 1対1の妥当性 | 適切な形態の選び方 |
|---|---|---|
| 苦手科目を根本的に立て直したい(理解の土台が抜けている) | 妥当な投資 | 苦手科目だけ1対1、得意科目は集団・自学に振り分け |
| 集団塾で質問できずに置いていかれている | 妥当な投資 | 苦手科目1対1で土台回復後、集団に戻る選択肢を残す |
| 難関校・医学部志望で専門家の進捗管理が必要 | 妥当な投資(プロ講師1対1) | 講師の能力単価が高い領域に絞る |
| 自学が進んでおり進捗確認だけで十分 | 割高になりやすい | 1対3・自学管理型・チューター制が妥当 |
| 全科目をまんべんなく押さえたい | 割高になりやすい | 集団塾+苦手科目だけ1対1の併用 |
| 3年間を通じた継続学習の習慣づけ | 割高になりやすい | 集団塾・1対3で広く長く回す方が継続しやすい |
1対1が妥当な学習者像の共通点は、「集団指導では拾いきれない個別の課題」が明確に存在することです。苦手科目の根本的な立て直し、集団塾で進度に遅れている状態の回復、難関校対策で講師の能力単価そのものが学習効果を左右する局面、これらは1対1の高い料金が指導の質に直結して返ってくる場面です。同じ月額でも、これらの場面では「払って成果が返る」料金になります。
一方、1対1が割高になりやすい学習者像の共通点は、「指導の密度より演習量や継続性が学習効果を左右する」状況です。自学が進んでいる子は1対1で講師が常時付いている時間が冗長になり、進捗確認だけなら1対3・チューター制で同じ効果が得られます。全科目を均等に押さえたい家庭は、1対1で全科目を担当すると年間総額が膨らみすぎ、集団塾+苦手科目だけ1対1の併用の方が、実質コストが下がります。個別指導と集団指導の比較では、形態選び自体の判断軸を扱っています。
「1対1=最高の選択」ではなく「1対1=特定の用途に向く選択」
1対1は指導密度が最も高い形態ですが、家計負担も最も大きい形態です。「とにかく丁寧に見てほしい」という抽象的な動機で1対1を選ぶと、実質コストが家計適合の注意水域・危険水域に到達しやすくなります。1対1は「苦手の立て直し」「集団からの遅れの回復」「難関校対策の進捗管理」など、用途を明確にして選ぶことで、料金に見合う成果が返ってくる形態です。用途が曖昧なまま1対1を選ぶより、用途を絞った1対1+集団・自学の併用の方が、実質コストの観点では妥当な選び方になります。
よくある質問
Q個別指導塾はなぜ高いのですか?
個別指導塾が高い本当の理由は、講師1人が見る生徒数が1〜3人に絞られ、授業を担当する講師の人件費を少人数で分担する料金構造にあります。多人数で人件費を分担できる集団塾と比べ、同じ講師の時給なら1対1は1対3の3倍の講師人件費を生徒1人で負担します。月謝は講師人件費・教室運営費・教材・本部経費で構成されており、講師の能力差や教室設備の差というより、少人数指導の形態そのものから生じる料金水準です。文科省「令和5年度子供の学習費調査」では公立中3の補助学習費が年39.0万円(在籍者全体の平均)で、明光義塾の中3 週2回の授業料(月33,000円・神奈川)を12か月分にした年39.6万円とほぼ並び、教材費・講習費を足すと上回ります。
Q個別指導の1対1の料金はいくらですか?
個別指導の1対1の料金は、TOMASなど1対1専門の個別指導塾やプロ講師の1対1の多くが料金を公開しておらず、講師や回数に応じた個別見積りです。料金を公開している個別指導塾の例では、明光義塾(神奈川・90分・週1回)が小学生で月12,100〜14,300円・中学生で月16,500〜18,700円・高校生で月18,700〜20,900円、臨海セミナー個別指導(臨海セレクト)の単科が1コマ100分で中学3年生月18,100円・高校3年生月19,900円です。臨海セレクトは1対1ではなく、前半50分が1対2の個別指導またはタブレット授業による解説、後半50分が演習という構成です。年間総額は授業料に入会金・教材費・季節講習費などを足して見込み、1対1の見積りはこれらの公開料金と並べて比べると、判断しやすくなります。
Q個別指導塾の1対1の授業料はいくらですか?
個別指導塾の1対1の授業料は、料金を公開していない塾が多く、講師のグレード・1コマの分数・回数に応じた個別見積りが中心です。1対2を含む個別指導の公開料金では、明光義塾の中3が週1回で月18,700円・週2回で月33,000円(神奈川・90分)、臨海セミナー個別指導(臨海セレクト)の単科は1コマ100分で中学3年生が月18,100円、高校3年生が月19,900円です。プロ講師起用や難関校対策の1対1は一段高い水準になることが多いため、見積りでは講師区分と1時間あたりの料金を確認してください。授業料の数字だけでなく、入会金・教材費・季節講習費を加えた年間総額で家計負担を把握すると、実態を読み違えにくくなります。
Q1対2や1対3は1対1と比べてどれくらい安いですか?
講師1人あたりの生徒数が増えると、生徒1人が負担する講師人件費は下がります。講師の時給を仮に3,000円とすると、1コマ80分あたりの講師人件費は1対1で4,000円、1対2で2,000円、1対3で約1,333円です(当サイトの試算)。ただし、講師が自分だけを見ている時間も比例して減るため、その時間1時間あたりで見るとどの形態も同じ3,000円になります。講師の説明が必要な単元・苦手科目では1対1、自力で演習できる単元・得意科目では1対2・1対3を組み合わせる使い分けが、実質コストを下げる選び方です。実際の料金が人数比どおりに下がっていない塾では、講師に見てもらえる時間あたりの単価が1対1より高くなる場合もあるため、見積りで確かめてください。
Q個別指導塾の一コマは何分ですか?
個別指導塾の1コマは、60分・80分・90分・100分など塾によって異なります。1コマの長さがそのまま指導量になるとは限りません。解説と演習の配分が塾ごとに違うためです。たとえば明光義塾の授業料シミュレーションは90分授業(小学生は45分授業も)で示されており、臨海セミナー個別指導(臨海セレクト)は1コマ100分で、前半50分が1対2の個別指導またはタブレット授業による解説、後半50分が臨海徹底指導プログラム(TSP)による類題演習という構成です。同じ100分でも、全時間が講師の解説にあてられる塾と、半分が演習にあてられる塾では中身が変わります。料金を比べるときは、1コマの分数だけでなく、そのうち何分が講師の解説にあたるかまで確認すると、時間あたりの実質単価を正しく比較できます。
Qプロ講師の1対1は学生講師より本当に学費に見合いますか?
プロ講師の1対1は学生講師の1対1より高い料金区分に置かれ、個別見積りとしている塾が多いため、料金差は見積りで確かめる必要があります。学費に見合うのは、難関大学・医学部対策・苦手科目の根本的な立て直しなど、講師の指導力そのものが学習効果を左右する局面に限られます。講師の時給が仮に2,000円と10,000円なら、1コマ80分・年間48コマで講師人件費だけで年間512,000円の差になります(当サイトの試算)。中学生の基礎固めや高校受験対策の中位校層には、学生講師の1対1でも十分機能するケースが多く、プロ講師は割高になりやすいです。必要な場面に絞って起用する方が、実質コストの観点では妥当な選び方です。
Q集団塾より個別指導の方が結局安くなる場合はありますか?
あります。集団塾は5教科パックが基本で、得意科目まで含めた料金を払うことになるため、苦手科目だけを伸ばしたい家庭にとっては割高な構造になります。一方、個別指導は苦手な数学だけ、英語だけのように科目とコマ数を絞れるため、必要な部分だけに支出を集中できます。公開料金では、臨海セミナーの中3 5教科が月29,700円(9〜12月・神奈川)、臨海セミナー個別指導(臨海セレクト)の中3単科が月18,100円で、1科目に絞れば個別のほうが月額は低くなります。形態の選び方の比較は、個別指導と集団指導の比較の記事も参照してください。
Q臨海セミナー個別指導(臨海セレクト)の料金はいくらですか?
臨海セミナー個別指導(臨海セレクト)の単科(個別授業+TSP)は、1コマ100分・週1コマで、小学3〜6年生が月12,500円、中学1年生・2年生が月15,500円、中学3年生が月18,100円、高校生が月19,400〜19,900円です。5教科をまとめて受講する5科ミックスコースは、中学1年生・2年生が月40,360円、中学3年生が月46,740円になります。1コマ100分の内訳は前半50分が1対2の個別指導またはタブレット授業による解説、後半50分が臨海徹底指導プログラム(TSP)による類題演習です。兄弟姉妹が同時に在籍している場合は、年齢が下の生徒の月額授業料から2,000円が割引されます。別途教材費がかかり、そのほかの費用は教室で確認してください。
まとめ:石川メソッドで「個別指導の高さ」を判断する
個別指導塾が高い本当の理由は、講師1人が見る生徒数を絞る指導形態そのものの料金構造から導かれます。「高い/安い」を月謝の数字で判定するのではなく、講師人件費・教室運営費・本部経費の3要素で内訳を理解し、1対1・1対2・1対3で時間あたり実質単価を確認し、プロ講師か学生講師かで料金の意味を区別し、表面費用から実質コストへ落とし込み、世帯年収帯別の家計適合まで判定する手順を踏むと、自分の家庭にとって妥当な水準かを判定できます。「個別指導は高い」と漠然と感じる代わりに、「自分の家庭は1対1料金に見合う使い方をしているか」を起点に判断するのが、石川メソッドが提示する判断軸です。
本記事の整理ポイント
1. 高さは「能力」ではなく「形態」から生まれる
個別指導の料金は、講師1人あたりの生徒数を絞る形態から生じる構造的な水準。講師人件費・教室運営費・本部経費で構成され、講師の能力や教室の設備の差ではなく、少人数指導という形態そのものの料金。
2. 1対1の料金は学年・講師タイプで分かれ、多くは見積り
公開料金の例では、明光義塾(神奈川・90分・週1回)が小学生月12,100〜14,300円・中学生月16,500〜18,700円・高校生月18,700〜20,900円。1対1専門の塾やプロ講師の1対1は個別見積りが多く、講師グレードで料金が大きく変わる。月謝の数字だけで「高い/安い」は判断できない。
3. 1コマの長さと内訳まで見ないと単価は比べられない
個別指導の1コマは60分・80分・90分・100分と塾で異なり、解説と演習の配分も違う。臨海セミナー個別指導(臨海セレクト)は1コマ100分で前半50分が1対2の解説、後半50分がTSPによる演習という構成。分数だけでなく、そのうち何分が解説かまで確認して初めて時間単価が比較できる。
4. 年間総額は費目を積み上げて見積もる
月謝×12ではなく、入会金・教材費・季節講習費・模試費・施設維持費を加えた合計が年間総額。明光義塾の中3 週2回は授業料だけで年396,000円(神奈川)で、文科省統計の公立中3の学習塾費の平均(年341,220円)を上回る。月謝だけで判断すると、講習費などの見落としが構造的に発生する。
5. 家計適合は世帯年収帯で判定が変わる
明光義塾の中3 週2回の授業料(年396,000円)でも、年収400万円未満で負担率12.9%(注意水域)、800-1000万円帯で5.7%(適正範囲)と、年収帯で2倍以上のぶれが生まれる。1対1料金が「払える」かは、見積りの年間総額で年収帯別の負担率まで通して判定する。児童のいる世帯の所得の中央値は766万円(厚生労働省「2025年国民生活基礎調査」)。
個別指導の「高さ」を判断するステップ
料金の内訳を3要素で分解する
講師人件費・教室運営費・本部経費のどこに料金が乗っているかを把握し、その費用が自分の家庭にとって価値を生んでいるかを確認する。
必要な指導密度を逆算する
子どもの状況(苦手の深さ・自学の進度・志望校までの距離)から、1対1が必要か1対3で足りるか、プロ講師か学生講師かを決める。あわせて1コマの分数と、そのうち解説にあたる時間も確認する。
年間総額(表面費用)を試算する
月謝×12に入会金・教材費・季節講習費・模試費・施設維持費を加え、費目を一つずつ積み上げた年間総額を計算する。
実質コストに落とし込み家計適合を判定する
各種割引を網羅し、必要科目・コマ数まで絞った実質コストを出し、世帯年収帯別の負担率(可処分所得比)を計算して、注意水域・危険水域に該当しないかを判定する。
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個別指導の「高さ」は、表面費用と実質コストの2軸に加え、世帯収入や他の教育費とのバランスを見る「家計適合」まで通すと、より長く払い続けられる選択になります。表面費用×実質コスト×家計適合の三軸でできた石川メソッドの全体像は、石川メソッドの解説ページで詳しくご確認いただけます。
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執筆者の発信情報
本記事は、教育費を専門領域とするファイナンシャル・プランナーで、日本進学教育研究機構認定 教育費アドバイザーの石川 恵美が執筆しています。プロフィールと認定情報は認定アドバイザー紹介ページ、教育費に関する継続的な発信は石川 恵美のnoteでご確認いただけます。
著者の書籍より
石川メソッド ── 払える、より、払い続けられる。
個別指導塾の「高さ」は、単年の月謝で判断するのではなく、複数年累積+進学後の学費で耐えうるかで判定する世界です。本書では、塾選びの全プロセスを表面費用・実質コスト・家計適合の三軸で整理し、進路パターン別(中高一貫・高校受験・大学受験・浪人)の累積コスト試算と、家計持続性を見極める実務的シミュレーションを体系化しています。「払える金額」ではなく「払い続けられる金額」から塾を選ぶ判断軸を、個別指導を検討するすべての保護者に手に取っていただきたい一冊です。

