大学受験の塾費用は年間いくら?現役・浪人の内訳と主要塾の費用比較をFPが石川メソッド3軸で解説

大学受験の塾代を現役・浪人別にまとめた比較インフォグラフィック|予備校と個別指導の費用相場と3軸の判断軸を教育費アドバイザーの石川 恵美が解説

答え:大学受験の塾費用は、現役生と浪人生で大きく分かれます。週1回1講座あたりの年間授業料で横並びにすると、臨海セミナー大学受験科の高3が132,000円、河合塾グリーンコース高3(150分講座)が281,750円です(2026年度)。現役高3で受講講座を増やすと、たとえば東進ハイスクールの通期講座5講座は入学金・担任指導費・模試費を含めて初年度524,700円になります。浪人生は予備校の通年本科コースが中心で、河合塾大学受験科は入塾金70,000円にコースごとの授業料が加わる仕組みです。料金表を公開していない武田塾は、公式FAQで受験生の年間費用を60万〜120万円ほどと案内しています。文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」は高等学校までが対象で大学受験生・浪人生のデータを含まないため、予備校・塾の公開料金を起点に、表面費用×実質コスト×家計適合の3軸で判定する必要があります。

大学受験は、子ども一人にかかる教育費が最も集中する局面です。高3になると受講講座数や講習が増え、もし浪人すれば予備校本科の費用がもう1年分かかる ── この「最後のひと山」が家計に与える影響を見誤ると、進学後の学費まで含めた資金計画が一気に崩れます。「大学受験の塾代は平均していくら」という単一の答えだけでは、現役と浪人、文系と理系、集団と個別で大きく分かれる実態をとらえきれません。

本記事では、文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」(2026年1月16日訂正版)の高校生の補助学習費を前段の手がかりとしつつ、河合塾・東進・武田塾・臨海セミナー大学受験科・明光義塾・スタディサプリなどの公開料金から独自に再集計した数値を起点に、大学受験の塾費用の月平均と年間費用・現役と浪人の違い・形態別の費用・年間費用の安い順一覧・主要予備校の費用構造・個別指導の相場・年間100万円を超える条件・石川メソッド3軸独自再集計表による実質コストと家計適合の判定軸までを、教育費を専門領域とするファイナンシャル・プランナーの視点で整理します。表面費用だけでなく「実質コスト」「家計適合」を順に通すことで、浪人の可能性と大学進学後の学費までを見据えた、1〜2年累積で耐えうる家計設計につなげます。

FP

石川 恵美からのひとこと

大学受験は、教育費の「最後にして最大のヤマ場」です。現役で終わるか浪人するかで総額が一段変わり、しかもその直後に大学の入学金・授業料が控えています。文部科学省の調査が高等学校までしか追っておらず、浪人期と進学後の学費を含めた累積コストは、各家庭が自ら試算するしかない領域です。この記事では、各予備校・塾が公開している料金を軸に、浪人の可能性と進学後の学費まで含めて、1〜2年累積で耐えうる塾選びの判断軸を整理しました。

大学受験の塾費用は月・年間でいくらか

大学受験の塾代は、現役生か浪人生か、通う形態によって大きく分かれます。河合塾の2026年度授業料一覧から計算すると、150分講座1講座を1年間受講した場合の授業料は高1で178,880円、高2で240,800円、高3で281,750円(月換算約23,480円)で、ほかに塾生サポート料(高3生 月7,250円)がかかります。映像授業ではスタディサプリが月2,178円、講座を積み上げる東進ハイスクールは通期講座1講座77,000円です。浪人生の大学受験科は、入塾金70,000円にコースごとの授業料が加わります。文部科学省統計は高等学校までが対象で大学受験生・浪人生を含まないため、予備校・塾の公開料金を組み合わせて判断する必要があります。

公的統計から見える大学受験前段(高校生)の塾代の輪郭

文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」(2026年1月16日訂正版)では、高校生(全日制)の補助学習費は、公立高校3年生で年間285,156円、私立高校3年生で年間304,816円と報告されています。この調査は学年別の費用構造を公表しており、公立高校では高1=140,247円・高2=182,074円・高3=285,156円と、学年進行に応じて費用が段階的に上がる構造が明らかになっています。さらに重要なのは、この調査の対象が幼稚園から高等学校までであり、大学受験浪人生(予備校生)の費用は統計に含まれないという点です。

また、同じ調査で公立高校(全日制)の学習費総額は年596,954円で、そのうち学校教育費が351,523円、学校外活動費が245,431円です。塾代を含む学校外活動費は学習費総額の約4割を占めており、高校生の教育費は授業料以外の支出の比重が小さくありません。

つまり、大学受験の塾代を考えるうえで公的統計から読み取れるのは「高校生時代の補助学習費の輪郭」までで、現役高3の追い込み期や浪人期の費用は、予備校・塾の公開料金から逆算するしかありません。河合塾の公開料金から算出すると、現役高3の150分講座1講座の授業料は年281,750円で、講座数・講習・塾生サポート料に応じて増えます。浪人生の予備校代は、河合塾大学受験科の場合、入塾金70,000円にコースごとの授業料が加わります。

出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」調査結果の概要(表1・表5・表6)。補助学習費は学校外活動費の内訳として、公立・私立別・学年別に公表されています。大学受験浪人生(予備校生)は同調査の対象に含まれません。(2026年11月3日確認)

大学受験家庭の塾代月平均レンジ

大手予備校・個別指導塾・映像授業の公開料金から算出した、大学受験家庭の塾代の目安は以下の通りです。

区分受講パターン月平均(税込・公開料金ベース)年間総額(公開料金ベース)
現役・高3(映像中心)スタディサプリ/東進ハイスクールの講座課金月2,178円(スタディサプリ)/東進は通期講座1講座77,000円21,780円(スタディサプリ12か月一括)/東進1講座で初年度172,700円
現役・高3(河合塾グリーンコース)集団授業(150分講座1講座)約23,480円(授業料部分)+塾生サポート料月7,250円281,750円+塾生サポート料+講習費
現役・高3(個別併用)集団+個別指導の併用河合塾の授業料に明光義塾 高3 週1回 月20,900円などを上乗せ281,750円+250,800円=532,550円+講習費
浪人・河合塾大学受験科大手予備校の通年本科コースコースにより異なる入塾金70,000円+コース別の授業料

出典:河合塾「2026年度 授業料一覧」/河合塾「高校グリーンコース 学費」/河合塾「大学受験科 学費」/東進「学費・申込手続」/スタディサプリ「高校・大学受験講座 料金」/明光義塾「授業料シミュレーション」(神奈川県・90分授業)(2026年11月3日確認)。年額は公開料金から当サイトが計算した値です。実額はコース選択・受講数・地域によって変動します。

表からわかる通り、大学受験の塾代は「現役か浪人か」「映像か集団か個別か」で大きく分かれます。とりわけ現役高3では、通常の授業料に加えて夏期・冬期・直前講習費と模試代が後半に集中し、年間総額が月謝の額面から想像する金額を上回ります。浪人すると、予備校の年間授業料に入塾金・講習費が積み重なり、現役時代とは費用の桁が変わります。

「平均値」だけで判断しない

大学受験の塾代について「平均はいくら」という単一の答えに頼ると、判断を誤ります。同じ「大学受験家庭」でも、以下のような要因で年間費用は大きく分かれます。

  • 現役か浪人か(浪人は河合塾大学受験科で入塾金70,000円+コース別の授業料)
  • 文系か理系か(理系・医学部志望は科目数が多く費用が上がる)
  • 通う形態(映像授業は安め、大手予備校集団は中位、個別指導は高め)
  • 志望校レベル(難関大・医学部対策は専門コース・特訓費が増える)
  • 個別指導・家庭教師の併用有無(明光義塾 高3 週1回なら年250,800円の上乗せ・神奈川)

同じ「大学受験の塾費用」でも、映像授業中心で年間数万円に収まる家庭から、浪人して予備校の本科コースに通い、さらに個別指導を併用する家庭まで、実態は大きく異なります。学校のカリキュラムが先取り型で進む中高一貫校に在学しているご家庭では、通塾の必要性そのものから判断が変わります。次の章では、大学受験の費用を理解するうえで最も重要な「現役と浪人の違い」を詳しく見ていきます。

現役生と浪人生で大きく分かれる費用水準

大学受験の塾代を理解する最大のポイントは、現役生と浪人生で費用構造がまったく異なることです。現役生は高3の1年間に費用が集中する「1年型」で、河合塾の150分講座1講座なら年281,750円、東進の通期講座5講座なら初年度524,700円など、受講講座数で年間総額が決まります。浪人生は予備校の通年本科コースの授業料が中心になります。浪人の可能性を最初から予算に織り込むかどうかが、家計設計の分かれ目になります。

現役生の塾代:高3に集中する「1年型」

現役生の大学受験塾代は、高3の1年間に集中します。河合塾グリーンコースの授業料は、150分講座1講座を1年間受講すると高1で178,880円、高2で240,800円、高3で281,750円(月換算約23,480円)になり、これに塾生サポート料(高1・2生 月4,600円、高3生 月7,250円)・季節講習・志望校別対策が加算される構造です。高3になると受験対策が本格化し、通常授業に加えて夏期・冬期・直前講習、模試が積み重なります。講座を積み上げる東進ハイスクールでは、高3で通期講座を5講座受講すると、入学金33,000円・担任指導費77,000円・受講料385,000円・模試費29,700円で初年度524,700円です。映像授業の定額制ならスタディサプリの月2,178円から利用でき、個別指導を併用すると、併用する分だけ年間総額が上乗せされます。

現役生の費用の特徴は、後半に向かって加速する点です。4〜7月は通常授業中心でも、夏期講習、9月以降は志望校別対策・直前講習・共通テスト対策・私大対策・国公立二次対策が重なり、12〜2月に費用のピークが来ます。講習の受講料は通常授業とは別に請求されるため、年間予算は後半の講習分を含めて組む必要があります。

浪人生の塾代:予備校本科の年間総額(公開料金ベース)

浪人生の塾代は、大手予備校の通年本科コース(大学受験科・高卒生コース)に通うのが一般的で、河合塾大学受験科では入塾金70,000円に、コースごとに異なる授業料が加わります。入塾金は高校グリーンコースの33,000円の約2倍で、授業料には教材費・学習指導費・進学指導費が含まれ、講習の受講料などが積み重なる構造です。さらに、自宅外から通う場合は交通費や寮費・生活費が上乗せされます。

浪人は「フルタイムで予備校に通う1年」であり、現役時代の塾代とは費用の桁が変わります。現役で第一志望に届かず浪人を選択した家庭では、予定していなかった1年分の予備校本科の費用が新たに発生するため、家計への衝撃が大きくなりがちです。次の表で、現役と浪人の費用構造を整理します。

区分通い方年間総額(公開料金ベース)費用の特徴
現役・映像中心映像授業+模試スタディサプリ 21,780円〜(12か月一括)/東進 通期講座1講座で初年度172,700円受講講座数で変動・自己管理が前提
現役・河合塾グリーンコース現役生クラス+講習281,750円(150分1講座)+塾生サポート料・講習費後半4ヶ月に費用が集中
現役・個別併用集団or映像+個別指導例:河合塾281,750円+明光義塾 高3 週1回250,800円苦手科目・志望校対策で上乗せ
浪人・河合塾大学受験科通年本科コース(フルタイム)コースにより異なる入塾金70,000円+授業料+講習費
浪人・自宅外通学寮・下宿から予備校通学予備校代+寮費・生活費寮費・生活費は地域・施設で大きく異なる

出典:河合塾「2026年度 授業料一覧」/河合塾「高校グリーンコース 学費」/河合塾「大学受験科 学費」/東進「学費・申込手続」/スタディサプリ「高校・大学受験講座 料金」/明光義塾「授業料シミュレーション」(神奈川県・90分授業)(2026年11月3日確認)。年額は公開料金から当サイトが計算した値です。寮費・生活費は地域・施設によって大きく変動します。

「浪人前提」で予算を組むかどうか

大学受験の家計設計で最も重要な判断が「浪人の可能性を予算に織り込むか」です。現役での合格を前提に高3の塾代だけを見込んでいると、浪人が決まった瞬間に予備校本科の1年分の追加支出が発生し、しかもその先に大学の入学金・授業料が控えています。

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現役は「1年型」で後半集中

高3は講座数・講習で年間総額が決まります。夏以降の講習・模試で費用が加速し、12〜2月にピークが来ます。河合塾グリーンコース高3は150分講座1講座で年間281,750円が起点。

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浪人は予備校本科の1年分が上乗せ

河合塾大学受験科は入塾金70,000円にコース別の授業料が加わる。自宅外通学では寮費・生活費も加わります。

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直後に大学の学費が始まる

初年度納付金の目安は、国立大学の標準額で817,800円(入学料282,000円+授業料535,800円)、私立大学の平均で文科系約121万円・理科系約160万円(令和7年度)。翌春に発生します。

家計適合の観点からは、「浪人しない前提」で塾代を組むのではなく、「浪人した場合・現役で進学した場合の両方」を試算したうえで入塾・予備校選びを判断するのが現実的です。家計に余力が乏しい場合は、現役のうちに映像授業や予備校の費用を抑え、浪人の可能性に備えて予備費を確保しておく設計が、後悔の少ない選択につながります。高校受験から大学受験まで連続する塾通いの開始タイミングについては、姉妹サイトの高校受験の塾はいつから通うべきかで学年別に整理されており、参考になります。

形態別の月平均費用(大手予備校・個別指導・映像授業・家庭教師)

大学受験の塾代は、通う形態によって大きな幅があります。映像授業の定額制はスタディサプリが月2,178円、講座課金制の東進ハイスクールは通期講座1講座77,000円(ほかに担任指導費・模試費)、大手予備校の集団授業は河合塾グリーンコース高3の150分講座1講座で月換算約23,480円(年間281,750円÷12)からです。個別指導は明光義塾の高3 週1回で月20,900円(神奈川・90分)などの公開料金がある一方、1対1専門塾やプロ家庭教師は個別見積りが中心です。形態ごとの費用と向き不向きを理解したうえで、志望校レベルと自己管理力に応じて選ぶことが重要です。

大手予備校(集団授業)

駿台・河合塾・代々木ゼミナール・四谷学院などの大手予備校の集団授業は、大学受験塾の中核的な選択肢です。河合塾グリーンコースは、150分講座1講座を1年間受講した場合の授業料が高1で178,880円、高2で240,800円、高3で281,750円(月換算約23,480円)です(2026年度授業料一覧から計算)。これに塾生サポート料・季節講習・志望校別対策が加わります。浪人生の河合塾大学受験科は入塾金70,000円にコース別の授業料が加わります。駿台の授業料は公式サイトで一覧として確認できなかったため、金額は記載していません。難関大・医学部に向けた合格実績と、体系化されたカリキュラム・教材・模試がそろっている点が強みで、自己管理が前提の映像授業より「ペースを管理してもらえる」安心感があります。

個別指導塾

東京個別指導学院・明光義塾・TOMAS・武田塾などの個別指導塾は、苦手科目の克服や志望校別対策に柔軟に対応できる形態です。料金を公開している明光義塾は、高3の週1回で月20,900円・週2回で月37,840円(神奈川・90分)で、12か月分では年250,800円・454,080円です。東京個別指導学院・TOMASは料金を公開しておらず、個別見積りです。武田塾は料金表を公開しておらず、公式FAQでは受験生(高校3年生・既卒生)の年間費用を60万円から120万円ほどと案内しています。大手予備校の集団授業と併用して苦手科目だけを個別で補うパターンも多く、その場合は集団授業費に個別指導の授業料が上乗せされます。個別指導の相場は本記事の第6章でさらに詳しく扱います。

映像授業・オンライン

東進ハイスクール・河合塾マナビス・スタディサプリなどの映像授業は、費用と柔軟性の両面でメリットがある形態です。スタディサプリの高校・大学受験講座は月2,178円(12か月一括で21,780円)から利用できます。東進ハイスクールは講座ごとに受講料がかかる講座課金制で、通期講座1講座77,000円(90分×20回ほか、テキスト代込み)に、入学金33,000円、高3の担任指導費77,000円(3講座以下は33,000円)、模試費29,700円が加わります。高3で5講座なら初年度524,700円です。自分のペースで進められる反面、自己管理力が前提になるため、計画性のある生徒に向いています。

家庭教師

家庭教師は、完全マンツーマンで志望校・苦手に合わせた指導が受けられる形態です。料金は講師のグレード・指導時間・回数で決まり、プロ講師や医学部対策の家庭教師は料金を公開していない事業者が多く、個別見積りが中心です。移動時間が不要で、部活や他の習い事と両立しやすい点が利点ですが、1対1で講師を独占する分、時間あたりの費用は高くなりやすく、利用は苦手科目や直前期の補強に絞る家庭が多く見られます。

形態月平均(税込・公開料金ベース)年間総額(公開料金ベース)向いている家庭
映像授業・オンライン月2,178円(スタディサプリ)/1講座77,000円(東進)21,780円〜/東進 高3 5講座で初年度524,700円費用を抑えたい・自己管理ができる
大手予備校(集団・現役)月約1.5万円〜(150分1講座の授業料部分)178,880円〜(河合塾 高1 150分1講座)ペース管理と合格実績を重視
大手予備校(集団・浪人)コースにより異なる(河合塾大学受験科)入塾金70,000円+コース別の授業料(河合塾大学受験科)浪人本科でフルタイム通学
個別指導塾月20,900円〜(明光義塾 高3 週1回・神奈川)250,800円〜苦手科目・志望校別対策を柔軟に
プロ家庭教師個別見積り個別見積り完全個別・難関大医学部対策

出典:スタディサプリ「高校・大学受験講座 料金」/東進「学費・申込手続」/河合塾「2026年度 授業料一覧」/河合塾「大学受験科 学費」/明光義塾「授業料シミュレーション」(神奈川県・90分授業)(2026年11月3日確認)。年額は公開料金から当サイトが計算した値です。受講数・コマ数・講師ランク・地域により実額は変動します。

形態選びの基本は、志望校レベルと自己管理力の2軸です。難関大・医学部志望でペース管理が必要なら大手予備校や個別指導、費用を抑えつつ自分で進められるなら映像授業、苦手科目をピンポイントで補強したいなら個別指導や家庭教師の併用が現実的です。形態ごとの費用差は年間で大きくなるため、表面費用だけでなく「実質コスト」「家計適合」まで見て選ぶことが、後悔の少ない判断につながります。

臨海セミナー大学受験科の費用構造

臨海セミナー大学受験科は、現役高校生向けの大学受験コースです。週1回1講座の公開料金は、高1・高2で9,900円〜、高3で11,000円〜で、講座数に応じたパック料金も公開されています。週1回1講座の年間授業料で比べると、高3で132,000円と、河合塾グリーンコース高3の150分講座1講座(281,750円)の約47%の水準です。講座数を増やすと月額は積み上がり、高3の5講座パックは月47,850円(2026年度)、2027年度は5講座以上の料金が改定され月45,650円になります。

臨海セミナー大学受験科のコース料金

臨海セミナー大学受験科は、現役高校生を対象にした集団指導を主軸としています。週1回1講座の公開料金は、高1・高2で9,900円〜、高3で11,000円〜と明示されています。受講講座数を増やせば月額は積み上がりますが、講座数に応じたパック料金で1講座あたりの単価が下がる設計です。高卒生向けの本科コースの料金は、公式の大学受験科の授業料ページには掲載されていません。

臨海セミナー大学受験科のパック料金

臨海セミナー大学受験科は、受講講座数に応じたパック料金を公開しています。1講座単位でも受講でき、講座数を増やすほど1講座あたりの単価が下がる仕組みです。2026年度の月額授業料は以下の通りです(高3は2027年度に5講座以上のパック料金が改定され、5講座45,650円・10講座64,900円になります)。

講座数高1・高2 月額(税込)高3 月額(税込)
1講座9,900円11,000円
2講座パック18,700円21,450円
3講座パック25,850円31,350円
4講座パック31,350円40,150円
5講座パック35,200円47,850円
6講座パック39,050円54,450円
7講座パック42,900円60,500円
8講座パック─66,000円
9講座パック─70,950円
10講座パック─75,350円

出典:臨海セミナー「大学受験科 授業料」「2026年度・2027年度 大学受験科 授業料」。費用は全て税込。別途、教材費・模擬試験代・維持費・登録手数料がかかります。(2026年11月3日確認)

パック料金の設計上、受講講座数が増えるほど1講座あたりの負担は下がります。高3の場合、1講座では11,000円ですが、5講座パックでは1講座あたり9,570円、10講座パックでは7,535円まで下がる計算です。受験学年で科目数を増やす前提の家庭にとって、講座数を増やしたときの単価低下は年間費用を抑える要素になります。

一方で、月額の絶対額は講座数に比例して増えます。高3で5講座を選ぶと月47,850円(2026年度)、12か月分とすると574,200円が通常授業の授業料分になります(2027年度の5講座45,650円なら547,800円)。ここに教材費・模擬試験代・維持費・登録手数料が加わるため、「1講座11,000円から」という表示金額だけで年間費用を見積もると実額との差が生まれます。受講計画は、講座数を決めてから年間で積算するのが確実です。

カリキュラムの方向性

大学受験科の受講例には、早稲田大学・上智大学・明治大学・法政大学・日本大学・専修大学など、幅広い大学の合格者の受講講座が公式サイトで紹介されています。最難関大・医学部に特化した集中型カリキュラムを前面に出す予備校とは方向性が異なり、現役高校生が学校生活と両立しながら1講座から通える設計で、結果として費用面でも幅広い家庭に適合しやすい構造になっています。

高卒生向けの本科コースの料金は公式の大学受験科の授業料ページに掲載されていないため、浪人を視野に入れた予備校選びの場合は他予備校との併用検討が必要になります。逆に、現役のうちに費用を抑えつつ大学受験対策を進めたい家庭、地元から通える範囲で集団指導を受けたい家庭にとって、臨海セミナー大学受験科は「家計適合」の観点から検討候補に入れやすい選択肢です。

臨海セミナー大学受験科が向いている家庭

料金構造とカリキュラム方向性から、臨海セミナー大学受験科は次のような家庭に費用面で適合しやすい選択肢です。

  • 現役合格を前提に塾代を抑えたい家庭(高3の週1回1講座で年間132,000円から)
  • 地元の教室から通える範囲で集団指導を受けたい家庭
  • 国公立大・難関私大から地元志望校まで、幅広い志望校層をカバーしたい家庭
  • 学校生活・部活と両立しながら大学受験対策を進めたい家庭
  • 浪人時の予備費を確保するため、現役期は費用を抑えたい家庭

最新のコース料金・季節講習費・対象学年は同社公式サイトで確認できます。本記事で示した数値は2026年11月3日に公式サイトで確認した値です。入塾検討の際は最新の公式情報を確認してください。

出典:臨海セミナー「大学受験科 授業料」(受講例・授業料)(2026年11月3日確認)。実額・コース選択・地域差・対象学年については、同社公式サイト・教室への直接確認をお願いします。

大学受験塾の年間費用を一覧で比較する

大学受験塾の年間費用は、映像授業の定額制で年間2万円台、集団指導の週1講座で年間13万〜28万円、浪人生のフルタイム本科はさらに高くなるなど、受講形態によって大きな幅があります。週1回1講座を1年間受講した場合の授業料で横並びにすると、臨海セミナー大学受験科の高3が年間132,000円(月額11,000円)、河合塾グリーンコースの高3が年間281,750円(150分講座・月換算約23,480円)と、同じ集団指導の中でも2.1倍の差が生まれます。年間費用の比較は、受講条件を揃えてから行うことが前提です。

年間費用の目安一覧(安い順)

大学受験塾の年間費用を、各社の公開料金から安い順に並べたのが下表です。受講条件が形態ごとに異なるため、条件欄を必ず併せて確認してください。金額はいずれも通常授業の授業料分で、教材費・季節講習費・模試費・維持費は含みません。

順位形態・塾名年間費用の目安受講条件
1映像授業(スタディサプリ 高校・大学受験講座)年間21,780円〜12か月一括払い(月払いは月2,178円)
2臨海セミナー大学受験科(高3)年間132,000円週1回1講座・月額11,000円
3河合塾グリーンコース(高1・高2)年間178,880円(高1)・240,800円(高2)150分講座を週1回・1講6,880円
4明光義塾(高3・週1回)年間250,800円神奈川・90分・月額20,900円
5河合塾グリーンコース(高3)年間281,750円150分講座を週1回・1講8,050円・月換算約23,480円
6武田塾(受験生)年間60万〜120万円ほど公式FAQの目安・学年とコースで変動・参考書管理型
7河合塾大学受験科(浪人本科)コースにより異なるフルタイム通年・入塾金70,000円+コース別の授業料

出典:スタディサプリ「高校・大学受験講座 料金」/臨海セミナー「大学受験科 授業料」/河合塾「2026年度 授業料一覧」/明光義塾「授業料シミュレーション」(神奈川県・90分授業)/武田塾「よくある質問」/河合塾「大学受験科 学費」(2026年11月3日確認)。1〜5位は通常授業の授業料分のみで、教材費・季節講習費・模試費・維持費・入塾金・塾生サポート料は含みません。6位は武田塾の公式FAQが示す受験生の年間目安です。7位のフルタイム本科は授業料がコースにより異なります。

一覧の上位を占めるのは、映像授業と集団指導です。集団指導の中では、臨海セミナー大学受験科の高3が週1回1講座で年間132,000円と、河合塾グリーンコース高3(150分講座)の281,750円に対して約47%の水準に収まります。1講座あたりの単価で見たとき、集団指導の中でも料金水準に明確な差があることがわかります。

下位に並ぶのは、浪人生のフルタイム本科と、受験生が個別管理型で受講するパターンです。この2つは受講する授業量そのものが違うため、上位の「週1回1講座」と直接比べる対象ではありません。年間100万円を超えるのがどんな条件のときかは、後の章で分解します。

一覧の読み方 ── 「安い順」だけで選べない理由

年間費用の安い順一覧は、候補を絞る出発点にはなりますが、それだけで塾を決める材料にはなりません。理由は3つあります。

  • 受講する授業量が違う(週1回1講座と、5科目フルパッケージを同じ土俵で比べられない)
  • 表示金額の範囲が違う(通常授業のみの表示か、講習費・教材費を含むかで見え方が変わる)
  • 講座数で総額が変わる(集団指導は1講座単価が安くても、受験学年で科目数を増やせば月額は積み上がる)

とくに3つ目は、現役高3で見落としが起きやすい部分です。臨海セミナー大学受験科の高3を例にすると、1講座なら月11,000円ですが、5講座パックでは月47,850円、10講座パックでは月75,350円になります(2026年度。2027年度は5講座45,650円・10講座64,900円)。「1講座あたりの単価が安い塾」と「年間総額が安い塾」は、受講計画によって別の答えになります。

年間費用を正しく比べるには、候補の塾それぞれについて「受講予定の講座数 × 月額 × 12か月 + 季節講習費 + 模試費 + 教材費」で積算し、同じ物差しに揃える必要があります。この積算の手順は、後の表面費用の章で詳しく扱います。塾だけでなく家庭教師・予備校・オンラインまで含めて費用を横断的に比べたい場合は、4つの学習形態の費用全比較で同じ物差しの考え方を整理しています。

主要大学受験予備校の費用構造比較

大学受験予備校は、フルタイムの浪人本科に強い全国型大手(駿台・河合塾)、映像授業中心の予備校(東進)、自学管理型(武田塾)、独自カリキュラム型(四谷学院)、難関私国立特化型(早稲田アカデミー大学受験部門)など、対象(現役か浪人か)と方向性で年間費用が大きく分かれます。河合塾大学受験科の浪人本科は入塾金70,000円にコース別の授業料、東進ハイスクールは通期講座1講座77,000円に入学金・担任指導費・模試費、武田塾は公式FAQで受験生の年間60万円から120万円ほどなど、各社の公開情報を起点に費用面で比較します。

駿台予備学校

理系・難関大・医学部対策に強みを持つ全国大手予備校です。授業料は公式サイトで一覧として確認できなかったため、当サイトでは金額を記載していません。入学説明会や資料請求で、年間の授業料と講習費を確かめてから比較してください。緻密な添削指導と難関大・医学部の合格実績で知られ、理系志望・難関大志望の家庭に選ばれる傾向があります。

河合塾

全国展開する大手予備校で、記述模試・全統模試の運営でも知られています。グリーンコースの2026年度の授業料は、150分講座1講あたり高1・高2=6,880円、高3=8,050円で、1講座を1年間受講すると(高1は1学期・2学期の26講、高2・高3はスタート学期を含む35講)高1が178,880円、高2が240,800円、高3が281,750円になります。授業料とは別に塾生サポート料(現在公開の額で高1・2生 月4,600円、高3生 月7,250円)がかかります。入塾金は高校グリーンコースが33,000円、浪人生の大学受験科が70,000円で、大学受験科(本科)の授業料はコースにより異なります。2027年度の授業料一覧では150分講座が高1・高2で7,230円、高3で8,540円に改定されています。テキストの完成度と幅広い志望校レベルへの対応力が特徴で、文系・理系を問わず選ばれています。

東進ハイスクール・東進衛星予備校

映像授業を中核とする予備校で、講師の講義を自分のペースで受講できる講座課金制を採用しています。学費は入学金33,000円(初年度のみ)、担任指導費(高3生77,000円・高2生以下44,000円。受験生が3講座以下なら33,000円)、通期講座受講料1講座77,000円(90分×20回ほか、テキスト代込み)、模試費(受験生29,700円)の合計です。高3で5講座なら初年度524,700円、3講座なら326,700円になります。自己管理を前提に、部活や学校行事と両立しながら進めたい現役生に向いた形態です。

代々木ゼミナール

かつての三大予備校の一つで、本科コース・単科講座・映像授業を提供します。本科コースの授業料は公式サイトで一覧として確認できなかったため、当サイトでは金額を記載していません。単科講座やフレックス受講など、必要な科目だけを選んで受講できる柔軟性が特徴です。

四谷学院

「科目別能力別授業」と「55段階個別指導」を組み合わせた独自システムが特徴の予備校です。集団授業と個別指導を併用する仕組みのため、費用は授業料に個別指導の部分が加わる構造です。授業料は公式サイトで一覧として確認できなかったため、当サイトでは金額を記載していません。基礎からの積み上げを重視する生徒・苦手科目の克服を要する生徒に選ばれる傾向があります。

武田塾

「授業をしない」参考書ベースの自学管理型の予備校です。料金表は公開されておらず、公式FAQでは受験生(高校3年生・既卒生)の場合で年間60万円から120万円ほどと案内しています。夏期講習・冬期講習は実施していないため季節講習費はかかりませんが、指導に使う参考書は各自で購入し、受験学年は指定模試の受験費用も発生します。難関大対策・自学管理が必要な生徒に選ばれる傾向があります。

早稲田アカデミー大学受験部門

難関私立大・国立大を目指す生徒向けの大学受験部門で、難関大向けの集団指導カリキュラムを提供します。当サイトでは公開の年間料金を確認できなかったため、金額は記載していません。難関私立国立特化型の方向性であり、中堅大・地元志望や費用を抑えたい家庭には、他の予備校や映像系のほうが費用面で適合する場合もあります。

選び方の判断軸

大学受験予備校を選ぶ際の費用面の判断軸は、月謝の比較だけでは不十分です。以下の4軸で総合判断するのが現実的です。

判断軸確認ポイント家計への影響
現役か浪人か現役コースか高卒本科か河合塾大学受験科は入塾金70,000円+コース別の授業料
志望校レベルとの適合志望校別対策・合格実績の傾向難関大・医学部対策は専門コース費が高額
受講形態と受講数集団・映像・個別/講座課金か通年か東進は1講座77,000円の講座課金、武田塾は受験生で年間60万〜120万円ほどと幅がある
地域・通塾利便性自宅から通える校舎があるか遠方・自宅外通学は寮費・交通費が累積

「最難関大・医学部対策」を志望校に含めない現役生にとっては、浪人本科前提の全国大手を選ぶことで費用が無駄に高くなる場合があります。逆に、最難関大・医学部を志望する家庭にとっては、専門コースの実績がある予備校を選ばないと対策が手薄になります。現役か浪人か、志望校レベルと予備校の方向性の適合度が、費用面の判断軸の出発点です。

予備校の春期講習を、講座の回数と申し込みの時期から選ぶ方法は、noteの高校生の春期講習の選び方にまとめています。

大学受験の個別指導の相場

大学受験対応の個別指導の料金は、公開料金のある明光義塾で高3の週1回が月20,900円・週2回が月37,840円(神奈川・90分)、12か月分で年250,800円・454,080円です。1対1専門塾やプロ講師の個別指導は料金を公開していないことが多く、個別見積りです。武田塾は受験生で年間60万円から120万円ほどと公式FAQで案内しており、学年とコースで年間総額が大きく変動する特徴があります。集団予備校と併用して苦手科目だけを個別で補うパターンが多く、その場合は個別指導の授業料がそのまま上乗せ負担になります。

大学受験対応の個別指導の料金水準

大学受験の個別指導は、講師ランク(学生講師かプロ講師か)、1コマの時間、週あたりのコマ数、指導形態(1対1か1対2か)で料金が変わります。料金の決まり方を整理すると、以下の通りです。

01

学生講師・週1回

公開料金の例では、明光義塾の高3 週1回が月20,900円(神奈川・90分)。基礎固めや特定科目の補強に向く料金帯です。

02

プロ講師・週1〜2回

プロ講師の個別指導は料金を公開していない塾が多く、講師区分と1時間あたりの料金を見積りで確かめる必要があります。

03

完全1対1・難関大医学部

完全マンツーマンや医学部専門は個別見積りが中心です。見積りの年間総額を世帯の可処分所得と並べて判断します。

大手個別指導塾の料金体系

大学受験に対応する大手個別指導塾の料金体系を中立的に整理します。明光義塾は授業料シミュレーションで月額を公開しており、高3の週1回で月20,900円・週2回で月37,840円(神奈川・90分)です。東京個別指導学院・TOMASは料金を公開しておらず、教室での個別見積りです。武田塾は「授業をしない」参考書ベースの個別管理で、料金表を公開しておらず、公式FAQでは受験生の年間費用を60万円から120万円ほどと案内しています。同じ「個別指導」でも、指導形態と講師ランクで料金は大きく開きます。

個別指導塾の月謝が集団授業より高くなる理由・1対1料金の内訳については個別指導塾はなぜ高いのか・1対1料金の真実で構造的に解説しています。また、全学年を通じた個別指導塾の料金相場は個別指導塾の料金相場・全学年まとめで整理しています。

集団予備校と個別指導の併用パターン

大学受験では、集団予備校や映像授業をメインにしつつ、苦手科目や記述対策だけを個別指導で補う「併用型」が現実的なパターンです。たとえば河合塾グリーンコース高3の150分講座1講座(年281,750円)に、明光義塾の高3 週1回(年250,800円・神奈川)を追加すると、授業料だけで年間532,550円になります。個別指導だけで大学受験のすべての科目をカバーしようとすると科目数に比例して年間総額が膨らむため、費用面では集団・映像をメインにした併用のほうが効率的なケースが多くなります。個別と集団・映像のどちらを軸にするかの費用比較は個別 vs 集団 vs 家庭教師の費用比較もあわせてご参照ください。

大学受験の塾費用が100万円を超えるのはどんなときか

大学受験の塾費用が年間100万円を超えるのは、浪人して予備校の本科コースに通う場合、医学部・難関理系の専門コースを選ぶ場合、集団指導と個別指導を併用する場合、講座数・季節講習・直前講座を積み上げた場合の4パターンです。浪人本科は1年分の授業料に入塾金・講習費が加わります。現役生でも、東進ハイスクールで高3が5講座を受講すると初年度524,700円になり、ここに個別指導(明光義塾 高3 週2回なら年454,080円・神奈川)を併用すると年間100万円規模に近づきます。

「大学受験の塾費用は100万円かかる」という話は、条件つきで正しい数字です。どの条件が重なると100万円を超えるのかを分解すると、自分の家庭が該当するかどうかを事前に判断できます。

浪人して予備校の本科コースに通う

年間100万円を超える最大の要因が、浪人です。河合塾大学受験科の通年本科コースは、入塾金70,000円にコースごとの授業料が加わり、授業料には教材費・学習指導費・進学指導費が含まれます。医学部向けなど対象を絞ったコースもあり、授業料は各コースのページで確認する必要があります。入塾金は高校グリーンコースの33,000円の約2倍で、授業料とは別に講習の受講料もかかります。料金表を公開していない武田塾も、公式FAQで既卒生を含む受験生の年間費用を60万円から120万円ほどと案内しています。

自宅から通えない場合は、寮費・生活費が上乗せされます。浪人は「フルタイムで予備校に通う1年」であり、現役時代の通塾とは費用の性質が変わります。

医学部・難関理系の専門コースを選ぶ

医学部・難関理系の専門コースは、科目数の多さと少人数指導が重なるため、年間費用が上がります。理科2科目・数学III・英語・国語・社会と受験科目が広く、集団指導でも受講講座数が増えます。加えて、記述答案の添削・面接対策・小論文対策が別費用で加わる構造です。総合型選抜に向けて小論文・面接対策だけを塾に頼む場合の相場は、総合型選抜の塾費用を比べた記事で整理しています。

医学部専門予備校のフルタイムコースは、一般的な大手予備校より高い価格帯に置かれることが多く、料金も個別見積りが中心です。大学受験塾全体から見れば例外的な価格帯のため、医学部志望の家庭は、見積りの年間総額を早い段階で取り、家計適合を確かめておく必要があります。

集団指導と個別指導を併用する

現役生が年間100万円に近づく典型パターンが、講座の積み上げと個別指導の併用です。東進ハイスクールで高3が5講座を受講すると初年度524,700円、ここに明光義塾の高3 週2回(年454,080円・神奈川)を追加すると、合計で年間978,780円になります。

併用そのものが悪い選択ではありません。集団指導で全体のペースを作り、個別指導で弱点だけを補う設計は、学習効果の面では合理的です。ただし費用は単純に足し算で増えるため、併用を決める前に年間の合計額を試算しておく必要があります。

季節講習・直前講座を積み上げる

通常授業の年間費用が抑えられていても、季節講習と直前講座を積み上げると年間総額は大きく増えます。現役高3では、夏期講習・冬期講習・共通テスト対策・私大対策・国公立二次対策が後半に集中し、通常授業料とは別に講習の受講料がかかります。東進の通年講習講座は90分×5回+判定テスト1回で19,250円、90分×10回+判定テスト1回で38,500円です。

季節講習は「希望者のみ」と案内されながら、実際にはほとんどの生徒が受講するケースが多く、事実上の必須費用として家計に発生します。年間予算を組む段階で、受講予定の講習の講座数×単価を積み上げておくと、後半の資金繰りで慌てずに済みます。

100万円を超える前に確認する3点

年間費用が100万円を超えそうな場合、契約前に次の3点を確認してください。

  • 年間の総額を積算したか(月謝×12か月+季節講習費+模試費+教材費+入塾金で試算する)
  • 減らせる項目があるか(受講科目の絞り込み・映像授業への一部置き換え・特待生制度の適用可否を確認する)
  • 浪人の可能性を織り込んだか(現役の年間費用に加えて、翌年の本科費用を別シナリオで試算する)

100万円という金額そのものが問題なのではありません。その支出が世帯の可処分所得に対してどの位置にあり、大学進学後の学費まで含めて払い続けられるかどうかが判断の分かれ目です。この判定を行うのが、次章以降の実質コストと家計適合の2軸です。

表面費用:大学受験塾の年間費用を項目で分解する

大学受験塾の表面費用は、月謝(授業料)だけでは決まりません。入塾金・塾生サポート料・季節講習費・志望校別講座費・直前講習費・模試費が積み重なり、とくに現役生では後半の講習・模試に費用が集中します。河合塾グリーンコース高3の150分講座1講座で年間281,750円(月換算約23,480円)という授業料にも、塾生サポート料(高3生 月7,250円・12か月で87,000円)と講習費が加わります。「月謝の額面」だけで予備校を比較すると、年間総額を見誤ることになります。石川メソッドの第1軸は、この表面費用を年間総額で網羅的に把握することです。

大学受験塾の費用項目を分解する

大学受験塾の年間費用は、以下の項目の積み上げで決まります。月謝(授業料)以外の費用が、現役・浪人ともに大きな比重を占めます。

費用項目現役生の目安(河合塾基準)浪人生の目安(河合塾基準)
入塾金33,000円(免除制度あり)70,000円(半額免除などの制度あり)
授業料(年間)178,880円(高1)〜281,750円(高3)※150分講座1講座の場合コースにより異なる(大学受験科本科)
教材費授業料に含む(一部講座の副教材を除く)授業料に含む
季節講習費(夏・冬・直前)受講する講座数×講座ごとの受講料受講する講座数×講座ごとの受講料
模試費塾生サポート料(高1・2生 月4,600円、高3生 月7,250円)に対象模試を含む全統模試・テストは塾生無料(回数はコースで異なる)

出典:河合塾「2026年度 授業料一覧」/河合塾「高校グリーンコース 学費」/河合塾「大学受験科 学費」(2026年11月3日確認)。季節講習費は受講する講座で決まるため、金額を示していません。コース・受講数・志望校対策の有無により実額は変動します。

「事実上必須」の講習・模試に注意する

大学受験塾の表面費用で見落としやすいのが、「希望者のみ」と案内されながら、実際にはほとんどの生徒が受講する季節講習・志望校別講座・模試です。とくに現役生では、夏期講習・直前講習・共通テスト対策・私大対策・国公立二次対策が後半に集中し、通常授業料とは別に講習の受講料がかかります。河合塾グリーンコース高3の281,750円(150分講座1講座の年間授業料)に、塾生サポート料の年87,000円(月7,250円×12か月)を足すだけで368,750円になり、ここに講習費が加わります。入塾・入学の前に、通常授業料だけでなく「年間でかかる講習・模試の総額」を確認しておくことが、表面費用を正しく把握する第一歩です。

高校生の冬期講習を、1講座の受講料×講座の数で、冬休みの日程から組み立てる手順は、noteの高校生の冬期講習の講座の数の決め方で書いています。

実質コスト:表面費用と実質コストはなぜ違うか

大学受験塾の実質コストは、表面費用から還元・割引を差し引いた、家庭が実際に負担する金額です。大学受験塾には、成績優秀者の授業料免除(特待生制度)・入塾金の免除・早期申込割引・無料添削や進路面談などの還元があり、河合塾大学受験科では個別相談への参加で入塾金70,000円のうち35,000円が免除になります。塾を選ぶ前に、利用可能な還元を網羅して実質コストで比較することが、家計適合の観点から重要です。

大学受験塾の還元制度の典型例

大学受験塾・予備校には、表面費用を引き下げる還元制度があります。代表的なものを整理します。

01

特待生・成績特待制度

入学テストや模試の上位成績者に授業料を減免。難関大予備校では全額免除のケースもあります。

02

早期申込・継続割引

早期の入学申込や、現役からの継続在籍で入学金免除・授業料割引が適用される予備校があります。

03

無料の添削・面談・自習室

添削指導・進路面談・自習室開放が授業料に含まれる予備校では、外部サービス代を節約できます。

特待生・成績特待の現実的な評価

大学受験予備校の特待生制度は、模試の上位成績者に授業料の一部または全額免除が適用されることがあります。ただし、成績基準を満たす必要があり、すべての家庭が当てはまるわけではありません。家計設計では「特待生になれない前提」で年間費用を試算し、実際に特待生になれた場合の減免は予備費として扱うのが安全な判断です。「特待生制度があるから安心」という前提で予備校を選ぶと、基準をクリアできなかった場合に家計設計が崩れます。

確実な還元と不確実な還元の区別

還元制度を実質コストに反映する際は、適用条件によって「確実な還元」と「不確実な還元」を区別することが重要です。確実な還元(兄弟割引・継続割引・早期申込割引)は、申込時点で条件が確定するため実質コストから差し引いて見積もれます。一方、不確実な還元(特待生制度・成績特待・現役合格特典)は、入塾後の成績や合否次第で決まるため、家計設計の段階では「予備費として扱う」のが安全です。これらを区別せずに「特待生になれれば実質コストは下がる」と見積もると、基準クリアできなかった場合に家計が崩れます。

実質コスト計算の例

たとえば、浪人生が河合塾大学受験科に通うケースで考えます。入塾金70,000円は、個別相談への参加で35,000円が免除になり、河合塾の全統模試を受験したことがある人、講習を受講したことがある人なども所定の金額が免除されます。授業料には教材費・学習指導費・進学指導費が含まれ、河合塾の全統模試・テストは塾生なら無料で受験できます(回数はコースにより異なる)。こうした免除や授業料に含まれるものを差し引いて考えると、別途の教材費・模試費を見込む必要がない分、実質コストは表面の金額より下がります。逆に、講習費・模試費が別建てで積み上がる予備校では、表面の授業料が安く見えても実質コストは高くなることがあります。表面の授業料だけでなく、還元と追加費用の両方を加味した実質コストで比較することが重要です。

出典:河合塾「大学受験科 学費」(2026年11月3日確認)。還元制度の内容・適用条件は予備校・年度・コースによって異なります。最新の制度内容は各校の公式情報・説明会でご確認ください。

書影:石川メソッド ── 払える、より、払い続けられる。

著者の書籍より

石川メソッド ── 払える、より、払い続けられる。

著者:石川 恵美

同じ表面費用の予備校でも、還元制度と追加費用の有無で実質コストは大きく変わります。本書では、特待生制度・成績特待のような「不確実な還元」と兄弟割引・継続割引・早期申込割引のような「確実な還元」を区別し、不確実な還元は実質コストから差し引かずに予備費として扱う考え方を整理しています。表面の安さや「もし特待生になれれば」という期待値に惑わされない、誠実な還元評価の手順を解説しました。

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家計適合:石川メソッド3軸独自再集計表と浪人を含めた累積

大学受験の塾代を判断する最後の軸は「家計適合」です。現役なら高3の講座数と講習で年間総額が決まり、浪人すれば予備校本科の1年分(河合塾大学受験科なら入塾金70,000円+コース別の授業料)が上乗せされ、その直後に大学の初年度納付金(国立大学の標準額817,800円、私立大学の平均で文科系約121万円・理科系約160万円)が控えています。文部科学省の補助学習費と予備校の公開料金を石川メソッドの3軸(表面費用×実質コスト×家計適合)で独自再集計すると、現役期(高2〜高3の2年累積)は467,000円、浪人を含む累積は武田塾の年間目安を当てはめて1,067,000〜1,667,000円という構造が見えてきます。世帯可処分所得(658.8万円基準)に対する比率は、現役期の高3で4.3%(余裕あり)、浪人期は9.1〜18.2%に跳ね上がる構造です。

石川メソッド3軸独自再集計表(大学受験・5パターン)

大学受験の塾代を、文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」(2026年1月16日訂正版)の補助学習費と、河合塾・臨海セミナー大学受験科・東進・武田塾の公開料金を組み合わせて、石川メソッドの3軸(①表面費用×②実質コスト×③家計適合)で独自に再集計したのが下表です。可処分所得の基準は、厚生労働省「2025年国民生活基礎調査」(2024年所得)の児童のいる世帯 平均可処分所得=658.8万円を採用しています。

表:石川メソッド3軸独自再集計表(大学受験・5パターン)
学年・進路パターン①表面費用(年額)②実質コスト(年額)ギャップ(実質−表面)③家計適合(可処分所得比)累積負担(通塾期間)
公立高校2年生・(河合塾 150分1講座想定)240,800円182,000円−58,800円(還元主導)2.8%467,000円(2年累積)
公立高校3年生・国公立大志望(臨海セミナー大学受験科 5講座パック想定)574,200円285,000円−289,200円(還元主導)4.3%467,000円(2年累積)
公立高校3年生・私立大志望(河合塾想定)281,750円285,000円+3,250円(拮抗)4.3%467,000円(2年累積)
公立高校3年生・国公立大志望(東進 5講座想定)524,700円285,000円−239,700円(還元主導)4.3%467,000円(2年累積)
浪人(大学受験・武田塾の年間目安)600,000〜1,200,000円統計なし算出不可9.1〜18.2%1,067,000〜1,667,000円(高2+高3+浪人)

出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」調査結果の概要(表6・公立高校 補助学習費 高2=182,074円・高3=285,156円)、河合塾「2026年度 授業料一覧」(150分講座1講座を1年間受講した場合の授業料)、臨海セミナー「大学受験科 授業料」(2026年度 高3 5講座パック 月47,850円×12)、東進「学費・申込手続」(入学金・担任指導費・通期講座5講座・模試費)、武田塾「よくある質問」(受験生の年間60万〜120万円ほど)、厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」統計表 第5表(児童のいる世帯 平均可処分所得=658.8万円)より、ファイナンシャル・プランナー石川 恵美が石川メソッド3軸で独自再集計(2026年11月3日確認)。②実質コストは千円未満を四捨五入。①表面費用は授業料などの公開料金のみで、講習費・教材費等は含みません。浪人は文科省統計の対象外のため②を算出せず、③は武田塾の公式FAQの年間目安で計算しています。

3軸表から読み取れる構造

この3軸表が浮かび上がらせるのは、大学受験の費用構造に内在する「3つの分岐」です。

01

河合塾現役グリーンコースは表面と実質がほぼ拮抗

臨海セミナー5講座想定・東進5講座想定が還元主導(ギャップ−239,700円〜−289,200円)になる一方、河合塾グリーンコース高3は150分講座1講座の授業料281,750円に対して実質285,000円で、ギャップは+3,250円とほぼ拮抗。1講座の授業料だけで公立高3の補助学習費の平均にほぼ届き、講習や2講座目を足せば平均を上回る構造を示唆。

02

浪人想定行で累積負担が2倍以上に

現役期(高2+高3=467,000円)から浪人を含む累積(1,067,000〜1,667,000円)へ、累積負担が約2.3〜3.6倍に跳ね上がる。家計適合も4.3%(余裕あり)から9.1〜18.2%に上がり、可処分所得の1割前後〜2割近くを1年間で消化する家計局面に転換。

03

高2と高3で家計負担が1.6倍に上がる

公立高2の②実質コスト182,000円(家計適合2.8%)から、公立高3の285,000円(家計適合4.3%)へ、1年で1.6倍に上がる。受験本格化に伴う構造的な費用増を、高2の段階から予算化しておく必要を示す。

年収帯別 換算ガイド(補助テーブル・代表値285,000円で計算)

上表の家計適合は「児童のいる世帯 平均可処分所得=658.8万円」を分母とした全体平均値です。読者の家庭年収帯によって実感が異なるため、代表値285,000円(公立高3 補助学習費)を使った年収帯別の換算ガイドを補助テーブルとして併せて示します。

世帯年収帯可処分所得目安(年額)②実質コスト負担率(285,000円基準)判定の目安
400万円未満約307万円9.3%適正範囲(10%接近)
400-600万円約384万円7.4%適正範囲
600-800万円約538万円5.3%適正範囲
800-1000万円約692万円4.1%余裕あり
1000-1200万円約845万円3.4%余裕あり
1200万円以上約922万円〜3.1%以下余裕あり

出典:厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」統計表 第5表/文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」調査結果の概要(表6)より独自試算(2026年11月3日確認)。可処分所得目安は、各年収帯の中央値(400万円未満は400万円、1,200万円以上は1,200万円)に、児童のいる世帯の平均可処分所得÷平均所得(658.8万円÷857.3万円≒76.8%)を掛けた概算値。実際の可処分所得は世帯構成・控除状況により変動します。判定の目安は石川メソッドの基準(5%未満=余裕あり/5-10%=適正範囲/10-15%=注意水域/15%超=危険水域)です。

浪人を想定した場合の年収帯別負担

浪人想定行(武田塾の年間目安60万〜120万円)を上表と同じ年収帯で再計算すると、家計適合は大きく変化します。年間60万円の場合で、年収400万円未満では19.5%(危険水域)、年収400-600万円で15.6%(危険水域)、年収600-800万円で11.2%(注意水域)、年収800-1000万円で8.7%(適正範囲)、年収1000-1200万円で7.1%(適正範囲)、年収1200万円以上で6.5%(適正範囲)となり、年間120万円ならそれぞれ約2倍になります。浪人すると、年収800万円未満の世帯では家計適合が一気に注意水域・危険水域に跳ね上がる構造です。

1〜2年累積で見る大学受験の費用規模

大学受験の塾代は、現役で終わるか浪人するかで累積額が大きく変わります。現役合格の場合は高3の塾代で済みますが、1浪すると予備校本科の1年分(河合塾大学受験科なら入塾金70,000円+コース別の授業料)が加わります。さらに、自宅外通学の浪人では寮費・生活費が加わります。大学受験は「現役で終わる前提の単年費用」ではなく、「浪人の可能性を含む1〜2年の累積費用」として捉える必要があります。なお、中学受験を経て進学したご家庭では、小学生期からの教育費がすでに積み上がっているため、大学受験期の負担は世帯全体の累積で判定してください。

大学進学後の学費接続

大学受験塾代を判断するうえで欠かせないのが、進学後に始まる大学の学費です。初年度の目安は、国立大学の標準額で817,800円(入学料282,000円+授業料535,800円)、私立大学の平均(令和7年度・授業料+入学料+施設設備費)で文科系1,212,235円・理科系1,602,053円・医歯系4,779,143円です。2年目以降も授業料(国立大学の標準額535,800円、私立大学の平均で文科系850,392円・理科系1,195,313円)が継続します。大学受験の塾代を考える時点で、この進学後の学費接続まで視野に入れた家計設計が必要です。

出典:「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」(e-Gov法令検索)/文部科学省「令和7年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等 平均額の調査結果」(2026年11月3日確認)。国立大学は標準額で、大学により標準額の120%以内で異なる額を定めている場合があります。

1

高3の塾代を年間総額で試算する

現役の塾・予備校代を、授業料+講習費+模試費の年間総額で見積もる。河合塾グリーンコース高3=281,750円(150分講座1講座)、東進 高3 5講座=初年度524,700円などの公開料金が起点。

2

浪人した場合の費用を上乗せする

1浪した場合の予備校代(河合塾大学受験科なら入塾金70,000円+コース別の授業料・自宅外なら+寮費)を、別シナリオとして試算する。

3

大学進学後の学費まで合算する

塾代+大学初年度納付金+在学中の授業料を合算し、世帯可処分所得の20%以内に収まるか判定する。

浪人を想定した予備費の確保

家計適合の観点から最も重要なのは、「浪人の可能性を予備費として確保しておく」ことです。現役合格を前提に塾代だけを見込んでいると、浪人が決まった瞬間に資金計画が崩れます。3軸表が示すとおり、浪人想定行の家計適合は9.1〜18.2%(可処分所得658.8万円基準)で、年収帯によっては危険水域に踏み込みます。現役のうちは映像授業や費用を抑えた形態を選び、浮いた分を浪人時の予備費として確保しておく設計が現実的です。学年別の塾代の連続性については高校生の塾代月平均ガイドで高1〜高3全般を、中学生の塾代月平均ガイドで前段の費用構造を整理しています。

よくある質問

Q大学受験の塾費用は年間いくらですか?

大学受験の塾費用は、週1回1講座の集団指導で年間13万〜28万円(臨海セミナー大学受験科 高3 132,000円、河合塾グリーンコース高3 281,750円)が目安で、講座数・塾生サポート料・講習費を積み上げると増えます。たとえば東進ハイスクールで高3が5講座を受講すると、入学金・担任指導費・模試費を含めて初年度524,700円です。浪人して予備校の本科コースに通う場合は、河合塾大学受験科なら入塾金70,000円にコースごとの授業料が加わります。映像授業はスタディサプリなら月2,178円から利用できます。年間費用は受講する講座数と季節講習の受講量で大きく変わるため、月謝の額面ではなく年間総額で積算して比較してください。

Q大学受験の塾代は平均していくらですか?

大学受験の塾代は、現役か浪人か、通う形態によって大きく分かれます。現役生は高3の1年間に費用が集中し、河合塾グリーンコース高3の150分講座1講座で年281,750円、東進ハイスクールの高3 5講座で初年度524,700円など、受講講座数で年間総額が決まります。浪人生は予備校の通年本科コースの授業料が中心になります(河合塾大学受験科は入塾金70,000円+コース別の授業料)。料金表を公開していない武田塾は、公式FAQで受験生の年間費用を60万〜120万円ほどと案内しています。文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」は高等学校までが対象で、大学受験生・浪人生のデータは含まれないため、予備校・塾の公開料金から判断する必要があります。

Q大学受験塾の費用が比較的安いのはどこですか?

週1回1講座あたりの年間授業料で比べると、集団指導では臨海セミナー大学受験科の高3が年間132,000円(月額11,000円)で、河合塾グリーンコース高3(150分講座)の年間281,750円に対して約47%の水準です。映像授業の定額制サービスはさらに安く、スタディサプリの高校・大学受験講座は12か月一括で21,780円(月払いは月2,178円)です。ただし受講する授業量が形態ごとに異なるため、1講座あたりの単価だけで判断せず、必要な科目数を受講したときの年間総額で比較してください。

Q大学受験の個別指導の相場は?

大学受験対応の個別指導の料金は、公開料金のある明光義塾で高3の週1回が月20,900円・週2回が月37,840円(神奈川・90分)、12か月分で年250,800円・454,080円です。1対1専門塾やプロ講師の個別指導・医学部対策は料金を公開していないことが多く、個別見積りです。武田塾は受験生で年間60万円から120万円ほどと公式FAQで案内しており、学年とコースで年間総額が大きく変動します。集団予備校と併用して苦手科目だけを個別で補う場合、個別指導の授業料がそのまま上乗せになります。

Q浪人の予備校代は年間いくらですか?

浪人生が大手予備校の通年本科コース(大学受験科・高卒生コース)に通う場合、河合塾大学受験科では入塾金70,000円に、コースごとに異なる授業料が加わります。入塾金は高校グリーンコースの33,000円の約2倍で、個別相談への参加で35,000円が免除になります。授業料には教材費・学習指導費・進学指導費が含まれ、講習の受講料などが積み重なります。料金表を公開していない武田塾は、公式FAQで既卒生を含む受験生の年間費用を60万〜120万円ほどと案内しています。自宅外から通う場合は寮費・生活費が上乗せされます。浪人は「フルタイムで予備校に通う1年」であり、現役時代の塾代とは費用の桁が変わります。

Q大学受験の塾費用が100万円を超えるのは珍しいことですか?

大学受験の塾費用が年間100万円を超えるのは珍しいことではありません。浪人して予備校の本科コースに通う場合は、1年分の授業料に入塾金・講習費が加わり、武田塾も公式FAQで受験生の年間費用を60万〜120万円ほどと案内しています。現役生でも、東進ハイスクールの高3 5講座(初年度524,700円)に明光義塾の高3 週2回(年454,080円・神奈川)を併用すると、年間978,780円と100万円規模に近づきます。医学部・難関理系の専門コースを選んだ場合や、季節講習・直前講座を積み上げた場合も同様です。100万円を超えるかどうかは、浪人・個別併用・専門コース・講習量の4条件で決まります。

Q現役と浪人で塾代はどれくらい差がありますか?

現役と浪人では、塾代の累積額が大きく変わります。現役で合格すれば高3の塾代で済みますが、1浪すると予備校本科の1年分(河合塾大学受験科なら入塾金70,000円+コース別の授業料)が加わります。石川メソッド3軸表で再集計すると、現役期(高2+高3=467,000円)から、武田塾の年間目安(60万〜120万円)を当てはめた浪人を含む累積(1,067,000〜1,667,000円)へ、累積負担が約2.3〜3.6倍に跳ね上がる構造です。自宅外通学の浪人では寮費・生活費も加わります。家計設計では「現役で進学した場合」と「浪人した場合」の両方を試算し、浪人の可能性を予備費として確保しておくのが安全です。

Q大学受験は映像授業だけで合格できますか?

費用面では、映像授業は大学受験塾の中で抑えやすい形態で、スタディサプリの高校・大学受験講座なら12か月一括で21,780円です。東進ハイスクールは講座ごとに受講料がかかる講座課金制で、通期講座1講座77,000円に入学金・担任指導費・模試費が加わり、高3で5講座なら初年度524,700円です。映像授業は自分のペースで進められる反面、自己管理力が前提になります。計画的に学習を進められる生徒なら映像授業中心で費用を抑えつつ合格を目指せますが、ペース管理が苦手な場合は集団授業や個別指導の併用が現実的です。費用と自己管理力の2軸で判断するのが望ましい選択です。

Q医学部受験の塾代はなぜ高いのですか?

医学部受験の塾代が高くなるのは、科目数の多さ・要求される到達レベルの高さ・少人数制やマンツーマン指導が中心になるためです。医学部専門予備校や個別指導は料金を公開していないことが多く、個別見積りが中心です。医学部志望の場合は、塾代だけでなく私立大学医歯系の高額な学費(文部科学省の令和7年度調査で、授業料・入学料・施設設備費の初年度平均4,779,143円)まで含めた長期の家計設計が不可欠です。

Q国公立と私立で大学受験の塾代は変わりますか?

国公立志望は共通テストで5教科7科目前後を対策する必要があり、私立文系の3教科型と比べて受講科目が多くなるため、塾代は高くなる傾向があります。一方、私立難関大・医学部に特化した専門対策は1科目あたりの単価が高く、トータルでは国公立志望と同等以上になることもあります。塾代だけでなく進学後の学費も、国立大学の標準額(初年度817,800円)と私立大学の平均(令和7年度の初年度で文科系1,212,235円・理科系1,602,053円)で差があるため、受験対策費と進学後の学費を合わせて比較することが重要です。

Q大学受験塾はいつから通うのが費用対効果が高いですか?

費用対効果の観点では、高2の後半から高3にかけて本格化させるのが一般的なパターンです。高1から大手予備校にフルで通うと費用が3年分積み上がる一方、高3からの集中では基礎固めが間に合わないリスクがあります。河合塾グリーンコースも、150分講座1講座を1年間受講した場合の授業料が高1で178,880円、高2で240,800円、高3で281,750円と段階的に上がる料金体系です。現実的には、高1〜高2は映像授業や学校の補習で費用を抑えつつ基礎を固め、高3で志望校対策に予算を集中させる設計が、家計適合と学習効果のバランスが取りやすい選択です。志望校レベルと現状の学力差に応じて開始時期を判断します。

まとめ:石川メソッドで大学受験塾を判断する

大学受験の塾代は、表面費用だけで判断すると失敗します。現役は高3の講座数と講習で年間総額が決まり、浪人すれば予備校本科の1年分が上乗せされ、その直後に大学の学費が控える費用構造を、表面費用→実質コスト→家計適合の3軸で順に通すことで、浪人の可能性と進学後の学費を含めて家計が耐えうる塾選びにつながります。石川メソッド3軸表は、現役期2年累積467,000円(高3の家計適合4.3%)から、武田塾の年間目安を当てはめた浪人を含む累積1,067,000〜1,667,000円(浪人期の家計適合9.1〜18.2%)への構造的飛躍を可視化します。月謝の額面ではなく、年間総額・実質コスト・家計適合の3軸で判断することが、大学受験を完走するための家計設計の出発点です。

本記事の整理ポイント

本記事で整理した大学受験塾選びの判断軸を、5つに要約します。

1. 現役と浪人で費用構造が変わる

現役は高3集中の「1年型」で、河合塾の150分講座1講座なら年281,750円、東進の5講座なら初年度524,700円と講座数で決まる。浪人は予備校本科の「フルタイム型」(河合塾大学受験科なら入塾金70,000円+コース別の授業料)。両方を試算する。

2. 月謝以外の費用を網羅する

河合塾グリーンコース高3の150分講座1講座で年間281,750円(月換算約23,480円)に、入塾金・塾生サポート料(高3生 月7,250円)・季節講習費・志望校別講座費を加算。現役は後半に講習費が集中する。

3. 形態で費用が大きく分かれる

映像授業はスタディサプリが月2,178円、河合塾グリーンコース高3の150分講座1講座で月換算約23,480円、東進は1講座77,000円の講座課金、河合塾大学受験科(浪人)は入塾金70,000円+コース別の授業料。志望校レベルと自己管理力で選ぶ。

4. 確実な還元と不確実な還元を区別する

兄弟割引・継続割引・早期申込割引などの「確実な還元」は実質コストから差し引き、特待生制度・成績特待などの「不確実な還元」は予備費として扱う。

5. 浪人と進学後の学費まで含めて家計適合を判定する

石川メソッド3軸表で現役期(高3)4.3%→浪人期9.1〜18.2%への跳ね上がりを把握。塾代+浪人時の予備校代+大学初年度納付金の累積で世帯可処分所得の20%以内に収まるか確認する。

3軸を順に通す判断フロー

石川メソッドの3軸を大学受験塾選びに適用すると、以下のフローになります。

1

軸1:表面費用 ── 各塾の年間総額を網羅する

候補塾の授業料・季節講習費・志望校別講座費・模試費を、現役なら1年分、浪人なら本科の年間総額で積算する。河合塾グリーンコース高3の281,750円(150分講座1講座)や河合塾大学受験科のコース別授業料などの公開料金が起点。月謝だけで比較しない。

2

軸2:実質コスト ── 確実な還元と不確実な還元を区別する

各塾の確実な還元(兄弟割引・継続割引・早期申込割引)を網羅して実質コストから差し引き、不確実な還元(特待生・成績特待)は予備費として扱う。別建ての講習費・模試費を加えた実質コストで比較。表面の安さだけで選ばない。

3

軸3:家計適合 ── 浪人と進学後の学費まで含めて判定する

石川メソッド3軸表に基づき、現役の塾代+浪人時の予備校代+大学初年度納付金を合算した累積で、世帯収入の中で持続可能か判定する。可処分所得比10%が注意水域、20%が他の家計を圧迫し始めるラインとして、他の子の費用・住宅費・老後資金との両立を確認する。

石川メソッドの詳細はこちら

本記事で適用した石川メソッド(表面費用×実質コスト×家計適合の3軸)の詳細解説、判断フロー全体像、典型的な9パターンの仮想ケースについては、石川メソッド完全解説の記事で体系的に整理しています。大学受験以外の塾選び(小学生・中学生・中学受験・高校生)にも適用できる汎用的なフレームワークです。

執筆者の発信情報

本記事は、教育費を専門領域とするファイナンシャル・プランナーで、日本進学教育研究機構認定 教育費アドバイザーの石川 恵美が執筆しています。プロフィールと認定情報は認定アドバイザー紹介ページ、教育費に関する継続的な発信は石川 恵美のnoteでご確認いただけます。

書影:石川メソッド ── 払える、より、払い続けられる。

著者の書籍より

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著者:石川 恵美

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石川 恵美

この記事を書いた人

石川 恵美

日本進学教育研究機構認定 教育費アドバイザー

教育費を専門領域とするファイナンシャル・プランナー。大手保険会社で10年間勤務後に独立。教育費相談を年間200件以上受ける中で、学習塾の費用構造に特化した分析を開始。著書『石川メソッド ── 払える、より、払い続けられる。』(Kindle、2026年5月刊)。