夏期講習の費用相場と値段は?中学生・小学生・高校生をFPが石川メソッドで判定

夏期講習の費用相場と値段を学年別・指導形態別に解説する図。1コマの単価2,470円に受講量20コマを掛けて総額49,400円を出す計算式を示す。教育費アドバイザー・ファイナンシャル・プランナー石川 恵美が保護者向けに解説。

答え:夏期講習の値段は、公表された相場ではなく、塾が公開している1コマ・1講座あたりの単価と受講量で決まります。公開単価のある塾では個別指導が1コマ2,470円から、高校生の予備校が1講座90分5回で22,700円。集団指導は講習費を公開していない塾が多く、教室で見積もりを取ることになります。

「夏期講習の案内を見たけれど、この金額が高いのか安いのか分からない」。相場をひと通り調べても、同じ学年で2万円と20万円が並んでいて、判断の手がかりにならなかった方に向けて書きました。

この記事では、比較サイトの集計値ではなく、塾が公式に公開している単価と月額だけを積み上げて、学年別・指導形態別に夏期講習の値段を整理します。そのうえで、その金額が年間の塾代のどれくらいを占めるのか、ご家庭の手取りに対して重すぎないかを、教育費を専門とするファイナンシャル・プランナーの視点で判定します。金額はすべて税込で、出典と取得時点を添えています。

FP

石川 恵美からのひとこと

夏の見積書を持ってこられた保護者の方に、私が最初にお伝えするのは「この金額だけを見ても判断できません」ということです。同じ15万円でも、年間の塾代が30万円の家庭では半分を夏に使うことになり、60万円の家庭では4分の1で収まります。値段の大きさは、額面ではなく年間の中での位置で決まります。この記事は、その位置を自分で出せるようにするために書きました。


夏期講習の値段は学年と指導形態でいくらか

夏期講習の値段に、業界共通の相場はありません。金額は、塾が公開している1コマ・1講座あたりの単価と、受ける日数や講座数の掛け算で決まります。単価を公開している塾なら申し込む前に総額を自分で計算でき、公開していない塾は教室で見積もりを取ることになります。

「夏期講習 値段」で調べると、小学生2万円から中学生20万円超まで幅のある数字が並びます。この幅は塾ごとの値段の差というより、何日・何コマ受けるかの差です。単価を確かめて、受ける量を掛ければ、自分の家庭の金額は自分で出せます。

学年と指導形態のクロスで見る中心帯

各社が公式に公開している単価から、標準的な受講量で積み上げた金額です。公開していない塾については、金額を推測せずに「公開なし」と記載しています。

学年集団指導個別指導(1コマ80分)予備校・映像授業
小学生公開なし(教室で見積もり)1コマ2,470円〜/20コマで約49,400円〜
中学生公開なし(教室で見積もり)1コマ2,990円〜/20コマで約59,800円〜
高校生公開なし(教室で見積もり)1コマ3,850円〜/20コマで約77,000円〜1講座90分5回22,700円/5講座で113,500円。招待講習は無料

個別指導の単価は個別指導キャンパス「夏期講習」(2026年9月時点。1講座80分で小学生2,470円〜・中学生2,990円〜・高校生3,850円〜、入会金不要、教材費は1冊1,000〜3,000円程度)。予備校の単価は河合塾「夏期講習(高校生・高卒生)受講料・お申し込み方法」(2026年9月時点。塾生は22,200円、受講料に教材費・消費税を含む。講座により受講料は異なる)。映像授業は東進「夏期特別招待講習」(2026年9月時点。最大3〜4講座、講習入会金・テキスト料等すべて無料)。集団指導は各社とも講習費を公開していないため、金額を推測せず「公開なし」と記載している。

集団・個別・家庭教師でコマ単価が違う理由

同じ時間の授業でも、形態によって1人あたりにかかる講師の人件費が違います。集団指導は教室の生徒全員で講師1人を分担するため、1人あたりの単価が下がります。個別指導は講師1人が少人数を担当するので単価が上がり、家庭教師は講師が移動する時間も費用に入るため、さらに上がります。個別指導キャンパスの公開単価でも、1講座80分が小学生2,470円から、高校生3,850円からと、学年が上がるほど単価が上がります。

この単価の差は、受講科目の自由度と裏返しの関係にあります。集団指導は5教科パッケージが基本で、得意科目の時間にも費用がかかります。個別指導は苦手な1科目だけに絞れるので、コマ数を自分で決められます。単価が高い形態が必ず総額も高くなるとは限らないのは、この絞り込みができるかどうかの違いによるものです。

公開単価から自分の家庭の金額を出す

単価が公開されていれば、受ける量を掛けるだけで自分の家庭の金額が出ます。よくある3つのケースで計算してみます。

ケース計算総額
中学生が個別指導で苦手2科目を週3コマ4週2,990円 × 12コマ35,880円
中学生が個別指導で3科目を週5コマ4週2,990円 × 20コマ59,800円
小学生が個別指導で1科目を週2コマ4週2,470円 × 8コマ19,760円
高3が予備校で5講座22,700円 × 5講座113,500円

個別指導は個別指導キャンパスの中学生向け単価、予備校は河合塾の夏期講習の標準的な講座単価による。いずれも教材費・模試代は別に必要。

この形で出した金額は、見積もりを受け取る前に自分で確かめられます。提示された額がこの計算と大きくずれていたら、コマ数や講座数が想定より多いか、教材費などが含まれている可能性があります。

単価と総額は別の話

集団指導は単価が低くても5教科分の日数がかかり、個別指導は単価が高くても2科目に絞れます。値段を比べるときは、1コマいくらではなく、必要な科目を必要な量だけ受けたときの総額で並べてください。

同じ学年でも2倍以上ひらく理由

同じ中学生でも金額に開きが出るのは、塾ごとの値段の差ではなく、受ける量の差です。中1・中2は1学期の復習と2学期の予習が中心なのに対し、中3は5教科の受験対策になり、講習の日数も科目数も増えます。そこに合宿や特訓講座を取るかどうかが重なります。日数は塾ごとに違うので、見積もりを取る前に何日間のコースかを確かめてください。

もうひとつの理由は、塾に通っていない家庭が多いことです。文部科学省の調査では、公立中学校で学習塾費が0円の家庭が34.0%、公立小学校で61.0%、公立高等学校で61.4%を占めています(文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」)。平均値には通っていない家庭も入るため、通っている家庭の実感とずれます。この記事では、通っている家庭の平均(支出者平均額)を使って整理します。


小学生の夏期講習の費用相場

小学生の夏期講習は、中学受験をするかどうかで水準が分かれます。受験をしない小学生は短期の復習コースが中心です。中学受験対策では月額授業料が小5・小6で3万円から6万円台に上がり、講習費もその水準に合わせて組まれます。塾に通う公立小学生の年間の学習塾費は平均193,000円です。

小学生の講習費は、学年ではなく目的で決まります。学校の復習が目的なのか、中学受験の対策なのかで、受ける日数も科目数も別物になるためです。

非受験の小学生は短期の復習コースが中心

中学受験をしない小学生の夏期講習は、通常授業の延長として組まれます。臨海セミナーの小学部では、季節講習から新しい単元が始まる年間カリキュラムになっていて、講習は夏休みの特別授業ではなく1年の授業の一部として位置づけられています。

月額授業料の水準を見ておくと、講習の月にどれくらい上乗せされるかの見当がつきます。臨海セミナーの小学部(神奈川・2026年度)は、小3の算国週2回が3,960円、小4の算国週2回が5,940円、小5の算国英週2回が9,900円、小6(4月から12月)の算国英週2回が12,980円です(臨海セミナー「授業料(小学部)」、税込)。個別指導では森塾が小学生月額5,880円からと公開しています(森塾「授業料」)。

受験をしない小学生の講習費を、学年別・目的別にもう少し細かく知りたい場合は、受験しない小学生の夏期講習・冬期講習の費用を扱った記事で、講習の月に支払いがいくら増えるかまで整理しています。

中学受験対策の小5・小6は水準が変わる

中学受験対策に入ると、月額授業料そのものが上がります。各社が公開している2026年度の月額授業料を、同じ学年・同じ科目構成で並べると次のようになります。講習費は月額授業料の水準に合わせて組まれるため、この表が講習費を見積もる出発点になります。

学年臨海セミナー(国立私立中学受験 算国理社)早稲田アカデミー(4科)SAPIX小学部
小35,500円(特別価格。通常11,000円)29,500円25,300円
小411,000円(特別価格。通常22,000円)33,300円45,650円
小532,010円54,000円57,750円
小647,410円54,900円66,000円

臨海セミナーは臨海セミナー「国立・私立中学受験の月額授業料」(2026年度・税込。御三家対応のαコースは小4が24,200円、小5が36,300円、小6が49,720円。小1から小4には低学年特別価格が適用される)。早稲田アカデミーは早稲田アカデミー「費用のご案内」の各コース実施要項(小3はジュニアコース4科、小4から小6はSコース4科。別途年会費が小3は1,870円、小4以上は2,900円)。SAPIXはSAPIX小学部「2026年度 授業料」。いずれも2026年9月時点の掲載内容。

臨海セミナーは全学年でこの3社のうちもっとも低い月額です。特別価格が適用される小1から小4ではSAPIXの4分の1から5分の1、通常授業料に切り替わる小5・小6でもSAPIXの5割から7割の水準にあります。中学受験の学習を早い学年から始めるときの入り口としては、月々の負担が抑えられる設計といえます。

一方で、小5から小6にかけて月額が1.5倍近くに上がるのは3社に共通しています。中学受験の講習費を見積もるときは、いま払っている額ではなく、小6まで進んだときの額で年間の計画を立ててください。中学受験全体の費用の積み上がり方は、中学受験の塾代を学年別に整理した記事で扱っています。

都立・公立中高一貫の受検コースは別枠

臨海セミナーには都立・公立中高一貫校受検コースがあり、東京都では小6の算国理社が通常27,500円のところ、特別割引の適用で9,900円と案内されています(4科目受講が条件)。国立私立向けのコースとは別の料金体系です。


中学生の夏期講習の費用相場は中1・中2と中3で変わる

中学生の夏期講習は、中1・中2と中3で受ける量が大きく変わります。中3は5教科の受験対策になり、日数も科目数も増えるためです。集団指導の講習費を公開している塾は少なく、金額は教室での見積もりで確定します。塾に通う公立中学生の年間の学習塾費は平均349,000円です。

中学生の講習費を調べると、けた違いに幅のある数字が並びます。この幅のほとんどは、中1・中2と中3の違いです。学年をひとまとめにした平均値ではなく、自分の子の学年で見ないと判断を誤ります。

中1・中2は通常授業の延長として組まれる

中1・中2の夏期講習は、1学期の復習と2学期の予習が中心です。受験対策が入らないぶん、中3より日数も科目数も抑えられます。

講習費そのものを公開している集団指導塾はほとんどありませんが、月額授業料は手がかりになります。臨海セミナーの中学部(神奈川・2026年度)は、中1が3教科で17,930円、英数国理社の5教科で22,330円、中2が5教科で25,300円です(臨海セミナー「授業料(中学部)」、税込)。個別指導では森塾が中学生月額11,700円からと公開しています。

個別指導の講習費は単価から積み上げられます。個別指導キャンパスの夏期講習は中学生が1講座80分で2,990円からで、受講料は1コマの料金に希望するコマ数を掛けた額です。週3コマを4週受けると12コマで35,880円、週5コマを4週受けると20コマで59,800円になります。教材費は1冊1,000円から3,000円程度が別に必要です。

中3は5教科の日数が費用を決める

中3の夏期講習は、高校受験対策の長期コースになります。神奈川県や東京都の公立高校入試は5教科なので、5教科をまとめて受ける形が標準です。日数も科目数も中1・中2から増えるため、費用はここで大きく動きます。

中3の年間の塾代がどれくらいかは、公的統計で確認できます。文部科学省の令和5年度の調査では、公立中学校第3学年の年間の補助学習費が390,000円で、全学年を通じて最も高い水準です。夏期講習が15万円だとすると、年間の約38%を夏に使う計算になります。

臨海セミナーの中学部では、中3の月額授業料が4月から7月は5教科25,300円、9月から12月は29,700円と段階的に上がり、1月から3月の入試直前最終特訓は5教科53,240円の一括払いです。夏期講習費は公開されていませんが、月額が変わる時期と直前特訓の額が公開されているため、年間の支払いの形は事前に把握できます。

中3の費用の平均と目安をどう読むか

「中3の夏期講習の費用の平均」を調べても、出典のはっきりした平均値は見当たりません。集団指導塾が講習費を公開していないため、業界全体の平均を取れる材料がないからです。出回っている平均値の多くは、比較サイトが口コミや個別の見積もりから独自に集計したもので、集計の対象と方法が示されていないものが少なくありません。

そこで、平均値を探すかわりに次の3つを押さえてください。ここまで確かめれば、提示された金額が自分の家庭にとって高いかどうかを判断できます。

STEP 1

受ける日数と科目数を確かめる

5教科25日なのか、3教科15日なのかで金額は倍近く変わります。日数と科目数が分からないまま総額だけを比べても意味がありません。

STEP 2

合宿と特訓講座が含まれるかを確かめる

基本講習料とは別に請求される塾があります。含まれていない場合、提示額に数万円が上乗せされます。

STEP 3

年間の支払い全体に並べる

公立中3の年間の補助学習費390,000円を目安に、夏がそのうちどれくらいを占めるかを出します。3割から5割に収まっていれば、受験学年としては想定の範囲だと私は考えています。


高校生と予備校の夏期講習の料金は講座単価で決まる

高校生の夏期講習は、日数ではなく取る講座数で金額が動きます。河合塾は1講座90分5回で22,700円を公開しており、講座を増やすほど総額が上がる構造です。東進の夏期特別招待講習は講習入会金もテキスト料も無料で受けられます。塾に通う公立高校生の年間の学習塾費は平均381,000円です。

高校生の講習費が小中学生と違うのは、日数ではなく講座数で決まる点です。学校の学年ではなく、受ける科目と講座の数で金額が動きます。

高1・高2は苦手科目の補強が中心

高1・高2の夏期講習は、1学期の総復習や苦手分野の補強が中心で、取る講座数も抑えられます。河合塾では高1生・高2生を対象に500円で受けられる講座も用意されています。

臨海セミナーの大学受験科は、週1回1講座を高1・高2が月額9,900円から受けられ、複数講座を取るとパック割引が適用されます。高1・高2のパック料金は2講座18,700円、3講座25,850円、4講座31,350円、5講座35,200円、6講座39,050円、7講座42,900円です(臨海セミナー「2026年度 大学受験科 授業料」、税込)。講座を増やすほど1講座あたりの単価が下がる設計で、7講座では1講座あたり6,129円と、1講座単独の9,900円の約6割になります。

高3は1講座あたりの単価と講座数で決まる

高3の夏期講習は、受験科目に合わせて複数の講座を組み合わせるため、金額が大きく動きます。河合塾の夏期講習は1講座90分5回で22,700円(塾生22,200円)で、受講料には教材費と消費税が含まれます。講座によって受講料は異なりますが、この単価を基準にすると、5講座で113,500円、8講座で181,600円、10講座で227,000円という見当がつきます。

臨海セミナーの大学受験科は高3が1講座11,000円からで、こちらもパック受講割引があります。1講座あたりの単価で見るかぎり、大手予備校と大きく変わらない水準です。

予備校は講座単位で申し込む

予備校の夏期講習が塾の講習と違うのは、パッケージではなく講座単位で申し込む点です。必要な科目だけを選べる反面、塾側から提案された講座をそのまま受け入れると、講座数が増えて総額が想定を超えます。申し込む前に「何講座までにするか」を先に決めておくと、上振れを防げます。

映像授業を使う選択もあります。東進の夏期特別招待講習は、90分授業5回ほかの講座を最大3講座から4講座まで無料で受けられ、講習入会金もテキスト料も無料と案内されています。申込日によって無料になる講座数が変わるため、日程は早めに確認してください。

高校生の塾代を通年で見たい場合は、高校生の塾代の月平均を扱った記事で、形態別の水準と年間総額を整理しています。


臨海セミナーの夏期講習費用をどう見積もるか

臨海セミナーは全学年・全コースの月額授業料を公開しているため、季節講習費が非公開でも年間の支払いの形を事前に把握できます。中学部は中1が3教科17,930円、中3の9月からが5教科29,700円、1月からの入試直前最終特訓が53,240円です。外部生は講習期間を無料体験として受けられます。

学年別定額型(全学年の月額を公開)

臨海セミナーは、季節講習を年間カリキュラムの一部として位置づけ、講習で新しい単元を先に学び、通常の学期で復習と応用に進む設計をとっています。夏期講習だけを切り離して考えるのではなく、年間の授業の中でどこに位置するかで見るのが、この塾の費用の読み方です。

小学部の季節講習と外部生の受け方

小学部の月額授業料は、神奈川の小3が算国週2回で3,960円、小4が算国週2回で5,940円、小5が算国英週2回で9,900円、小6(4月から12月)が算国英週2回で12,980円です。小5は東京が11,000円と地域で差があります。小6は1月から3月に英語と数学が始まり、算国英週2回が14,740円、算国と英数の4科目で16,720円へ切り替わります。

小6の1月に月額が上がるのは、中学の内容の先取りが始まるためです。小学生のうちに講習費を見積もるときは、小6の冬に月謝が変わることまで織り込んでおくと、中学進学の時期に慌てずにすみます。

中学部の夏期講習と直前特訓のつながり

中学部は、中1が3教科で17,930円、英数国理社の5教科で22,330円、中2が5教科で25,300円、中3が4月から7月は25,300円、9月から12月は29,700円です。ここに1月から3月の入試直前最終特訓5教科53,240円(一括)が加わります。いずれも神奈川教室の2026年度の金額で、地域によって異なります。

月額が9月から上がり、年明けに一括の特訓費が発生する形なので、夏期講習費が公開されていなくても、夏以降にどのタイミングで支払いが増えるかは事前に分かります。教室で夏期講習の見積もりを受け取ったら、この年間の流れに並べて、秋と冬を合わせた総額で判断してください。

臨海セミナーは、確認テストや授業中の様子をもとにした補習と、定期テスト対策の補習を無料で行っていると案内しています。講習の外で学習を支える仕組みがあるため、講習の内容だけで費用対効果を見ないほうが実態に合います。

塾に通っていない中学生が夏期講習だけを受ける場合は、授業料無料の体験授業として受けられます。他塾の受け入れ方との違いは、夏期講習だけ違う塾に通うときの費用を整理した記事で扱っています。

国立私立中学受験と公立中高一貫の受検コース

中学受験のコースは2系統に分かれます。国立・私立中学受験コースは、通常授業料が小5の算国理社で32,010円、小6で47,410円、御三家対応のαコースは小5が36,300円、小6が49,720円です。小1から小4には低学年特別価格があり、小1・小2の算国と小3の算国理社が5,500円、小4の算国理社が11,000円になります。

都立・公立中高一貫校受検コースは別の料金体系です。東京都では小4の算国が通常9,900円のところ特別割引で5,500円、小5の算国理社が19,800円のところ5,500円、小6の算国理社が27,500円のところ9,900円と案内されています(割引が適用されるのは4科目受講のみ)。神奈川県では小5が14,300円、小6が17,600円が通常授業料です(臨海セミナー「都立・公立中高一貫校受検コースの月額授業料」、2026年9月時点・税込)。

大学受験科は夏に取る講座数で決まる

大学受験科は1講座から受講でき、高1・高2が月額9,900円から、高3が11,000円からです。複数講座を取るとパック受講割引が適用され、高1・高2では7講座で42,900円と、1講座あたり6,129円まで下がります。夏に取る講座数を決めれば、月額から夏の負担を計算できます。

臨海セミナーの金額はすべて臨海セミナー「授業料」および各コースの詳細ページ(2026年9月時点・税込)による。別途、入塾金・登録手数料・維持費・模擬試験代・教材費・各種講座料がかかる。金額は地域・コース・キャンペーン適用条件で異なる。


主要他塾の夏期講習を4つの型で比べる

夏期講習の料金の示し方は4つの型に分かれます。全学年の月額を公開する学年別定額型、受講科目で決まる科目積み上げ型、1コマいくらで決まるコマ単価型、教室ごとに見積もる非公開型です。どの型かが分かると、見積もりを取る前に金額の見当がつくかどうかが判断できます。季節講習を実施していない塾もあります。

塾を比べるとき、同じ条件で金額を並べようとしても、そもそも料金の示し方が違うことが多くあります。型で分けておくと、比べられる相手と比べられない相手を先に切り分けられます。

料金の示し方該当する塾の例申し込み前に金額が分かるか
学年別定額型全学年・全コースの月額を公開臨海セミナー、SAPIX小学部月額は分かる。講習費は見積もり
科目積み上げ型コースと受講科目で月額が決まる早稲田アカデミーコースを決めれば月額が分かる
コマ単価型1コマの単価を公開個別指導キャンパスコマ数を決めれば総額を計算できる
非公開型教室ごとの面談で案内明光義塾、四谷大塚の講習費面談まで分からない

各社公式サイトの2026年9月時点の掲載内容にもとづく分類。四谷大塚は月額受講料を公開しているが、講習費は別途案内としているため、講習費については非公開型に分類している。

学年別定額型(月額を全学年公開)

全学年・全コースの月額授業料を公式サイトに掲載している型です。臨海セミナーがこの型で、小学部から大学受験科まで、地域別・コース別の月額が公開されています。SAPIX小学部も1年生22,000円から6年生66,000円まで全学年の月額を公開しています。

この型は、講習費そのものが非公開でも、通常月の月額が分かるため年間の支払いの形を組み立てられます。講習の見積もりを受け取ったときに、月額との比率で妥当性を判断できるのが利点です。

科目積み上げ型(受講科目で決まる)

コースと受講科目の組み合わせで月額が決まる型です。早稲田アカデミーは、小3のジュニアコースが2科14,700円・4科29,500円、小4のSコースが4科33,300円、小5が54,000円、小6が54,900円と、コースごとの受講料を公開しています。別途、年会費が小3は月1,870円、小4以上は月2,900円かかります。

早稲田アカデミーは難関私立・国立中学と難関私立・国立高校の受験対策を専門とする塾で、この層を志望する家庭が比較の対象にします。神奈川の公立高校受験を目指す家庭とは対象が異なるため、同じ土俵で金額を並べる相手にはなりにくい塾です。

コマ単価型(1コマいくらで決まる)

1コマの単価を公開し、受けるコマ数を掛けて総額が決まる型です。個別指導キャンパスは夏期講習を1講座80分で小学生2,470円から、中学生2,990円から、高校生3,850円からと公開し、受講料の合計は1コマ料金に希望する受講コマ数を掛けた額になると案内しています。入会金は不要で、教材費は1冊あたり1,000円から3,000円程度が目安です。

この型は、事前に総額を自分で計算できる点で、家計の見通しが立てやすい形です。苦手な単元だけを集中的に受けたい場合も、コマ数で調整できます。

非公開型(教室ごとに見積もる)

授業料を公式サイトに掲載せず、教室での面談で案内する型です。明光義塾は、授業料を学年・受講教科・週の授業回数・学習プランに応じて個別に設定していると説明しています。期別講習についても「期別講習の授業料は、通常の授業料と同じです」「期別講習のみの受講も可能」と案内されています(明光義塾「授業料(料金)について」、2026年9月時点)。

四谷大塚も、月額受講料は公開する一方で「講習時には別途講習費がかかります」「春期・夏期・冬期の講習受講料については、別途お知らせいたします」として、講習費は掲載していません(四谷大塚「授業料」、2026年9月時点)。入会金は22,000円、教材費は小4から小6で20,000円から40,000円程度と案内されています。

季節講習を実施していない塾もある

武田塾は「武田塾では夏期講習や冬期講習は行われていないため、季節講習費用はかかりません」と公式に案内しています。受験生(高校3年生・既卒生)の年間費用は60万円から120万円ほどとされており、夏に追加費用が出ない代わりに通年の費用がその水準になります(武田塾「よくある質問」、2026年9月時点)。夏だけを比べるのではなく、年間の総額で並べてください。

大手塾の通常授業料の比べ方は、大手塾の料金を型ごとに比較した記事で詳しく扱っています。


表面費用:講習費に含まれない費目と年間に占める割合

夏期講習の表面費用は、提示された講習費だけでは完結しません。教材費・模試代・合宿費・維持費が別枠で加わる塾があり、受講料に含む塾と含まない塾に分かれます。年間に占める割合で見ると、塾に通う公立中学生の年間の学習塾費349,000円に対して、中3の夏期講習は1割から5割を占めます。

石川メソッドの第1軸である表面費用は、塾が公式に提示する費用の総合計を、月謝ではなく年間で把握する考え方です。夏期講習はこの中で、年に1度だけ発生する大きな臨時支出にあたります。

教材費・模試代・合宿費はいくらかかるか

講習費の案内に含まれていないことが多い費目を、公開されている金額で並べます。塾によって扱いが違うため、見積もりを受け取ったときに「どれが含まれていて、どれが別か」を確かめる材料として使ってください。

費目公開されている金額の例扱いが分かれる点
入会金・入塾金四谷大塚22,000円、森塾20,000円講習のみの受講では不要になる塾がある
教材費個別指導キャンパス1冊1,000〜3,000円、四谷大塚(小4〜小6)20,000〜40,000円程度河合塾の夏期講習は受講料に含まれる
模試代臨海セミナーは別途講習とセットで必修になる塾がある
維持費・登録手数料臨海セミナーは別途月額に含まれず年間で発生する
合宿・特訓講座公開している塾が見当たらない任意と案内されていても参加が前提になっている場合がある

各社公式サイトの2026年9月時点の掲載内容による。金額を公開していない費目については推測せず、公開なしと記載している。

年間の学習塾費に対して講習費が占める割合

夏期講習が高いかどうかは、額面ではなく年間の中での位置で決まります。塾に通っている家庭の年間の学習塾費を分母にすると、夏に使う割合が出せます。

学年年間の学習塾費(分母)夏期講習占める割合
小学生公立小学校 193,000円2万〜5万円約10〜26%
中1・中2公立中学校 349,000円3万〜8万円約9〜23%
中3公立中学校第3学年 390,000円5万〜20万円約13〜51%
高1・高2公立高等学校 381,000円5万〜15万円約13〜39%
高3公立高等学校 381,000円7万〜25万円約18〜66%

分母は文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」(2026年1月16日訂正版)。小学生・中1・中2・高校生は学習塾費の支出者平均額(学習塾費を支出した家庭の平均)、中3は学年別の補助学習費。分母の性質が学年で異なるため、学年間の割合を直接比べることはできない。夏期講習の額は本文の各章で示した公開単価からの積み上げによる。

中1・中2では1割から2割にとどまる割合が、中3では最大5割に達します。月謝の感覚で家計を組んでいると、夏の1か月で年間の半分が出ていく形になり、他の月の支出を圧迫します。年度の初めに、夏に出ていく額を先に確保しておくのが現実的な対応です。

年間の塾代の組み立て方は、塾の年間費用と平均月謝を整理した記事で扱っています。石川メソッドの3軸そのものについては、石川メソッドの完全解説を参照してください。


実質コスト:割引・助成・無料体験で下がる実負担

夏期講習の実質コストは、提示額から割引・助成・無料体験で下がる分を引いた金額です。兄弟割引や紹介特典、自治体の塾代助成が使えます。塾に通っていない子は講習期間を授業料無料の体験として受けられる塾があり、支払いは実費のみです。教材費や模試代は割引の対象になりにくい費目です。

石川メソッドの第2軸である実質コストは、表面費用から実際に下がる分を差し引いた、家庭が本当に払う金額です。夏期講習は還元の仕組みが複数あるため、提示額と実負担の差が出やすい費目にあたります。

割引と紹介特典で下がる分

兄弟が同時に在籍している場合の割引は、多くの塾が用意しています。森塾は兄弟で入塾すると入塾金20,000円が全額免除になり、授業料も低額の方から20%割引になると案内しています。入塾金については、森塾が公式サイトからの問い合わせで10,000円免除、講習の4日間から5日間の無料体験を受けて新学期も継続する場合は全額免除としています。

臨海セミナーでも、兄弟姉妹が同時に在籍している場合の割引が用意されています。講習の申し込み前に、対象になる割引がないかを教室で確かめてください。

自治体の助成と無料体験で下がる分

自治体の塾代助成には、講習費に使える制度があります。臨海セミナーは、東京都・神奈川県・千葉県・大阪府にまたがる9つの助成制度に対応していると公開しています。所得制限や対象学年の条件が制度ごとに違うため、住んでいる市区町村に使える制度があるかを先に調べてください。制度の内容と申請の時期は、塾代助成制度を自治体別に整理した記事で扱っています。

塾に通っていない子には、無料体験という選択があります。臨海セミナーは講習期間を外部生向けの授業料無料の体験として案内しており、東進の夏期特別招待講習は講習入会金もテキスト料も無料です。どちらも授業料が0円になるため、実質コストを下げる手段としてはもっとも効果が大きい選択肢です。

割引の対象にならない費目

授業料が割引になっても、教材費・模試代・維持費は対象外になることが多い費目です。臨海セミナーの無料体験も、授業料は無料でも体験諸費と模試代は実費で必要になります。

実質コストを計算するときは、割引後の授業料に、これらの実費を足し戻してください。「無料体験だから0円」と考えていると、実際の請求額とずれます。講習費の支払いが難しいときの具体的な打ち手は、夏期講習のお金がないときの対応を整理した記事で扱っています。


家計適合:講習費は世帯の手取りの何%か

夏期講習の値段が高いかどうかは、世帯の手取りに対する比率で判定します。単発支出の目安は3%未満が余裕あり、3%から5%が適正範囲、5%から8%が注意水域、8%超が危険水域です。児童のいる世帯の平均可処分所得658.8万円なら15万円の講習費は2.3%、年収400万円未満では5.6%になります。

石川メソッドの第3軸である家計適合は、実質コストが世帯の他の優先順位と両立して持続可能かの判定です。今月払えるかどうかではなく、通塾の期間を通じて払い続けられるかを見ます。

判定の基準になる4つの水準

季節講習のような単発の支出は、世帯の可処分所得(手取り)に対する比率で判定します。通年の塾代を含めた年間の累積では、別の基準で判定し直す必要があります。

3%未満:余裕あり。他の費目を削らずに支払える範囲です。

3%以上5%未満:適正範囲。年度の初めに織り込んでおけば無理なく支払えます。

5%以上8%未満:注意水域。他の月の支出を調整する必要があります。

8%以上:危険水域。受講科目を絞るか、助成や無料体験の活用を検討する段階です。

年収帯別に見た講習費の重さ

可処分所得の目安は、厚生労働省の2025年国民生活基礎調査にある児童のいる世帯の平均所得857.3万円と平均可処分所得658.8万円の比(約76.9%)を、各年収帯の代表値に当てはめた概算です。

世帯年収帯可処分所得の目安講習費15万円講習費25万円講習費40万円
400万円未満(代表値350万円)約269万円5.6%(注意水域)9.3%(危険水域)14.9%(危険水域)
400〜600万円(代表値500万円)約384万円3.9%(適正範囲)6.5%(注意水域)10.4%(危険水域)
600〜800万円(代表値700万円)約538万円2.8%(余裕あり)4.6%(適正範囲)7.4%(注意水域)
800〜1,000万円(代表値900万円)約692万円2.2%(余裕あり)3.6%(適正範囲)5.8%(注意水域)
1,000〜1,200万円(代表値1,100万円)約845万円1.8%(余裕あり)3.0%(適正範囲)4.7%(適正範囲)
1,200万円以上(代表値1,300万円)約999万円1.5%(余裕あり)2.5%(余裕あり)4.0%(適正範囲)

可処分所得の目安は厚生労働省「2025年国民生活基礎調査 統計表」第4表の児童のいる世帯の平均所得857.3万円と平均可処分所得658.8万円の比を、各年収帯の代表値に当てはめた概算値。判定の水準はファイナンシャル・プランニング実務における単発支出の目安で、通年の塾代を含めた年間の累積では別の水準で再判定する。なお同調査における児童のいる世帯の所得の中央値は766万円。

世帯年収700万円の家庭で講習費が15万円なら2.8%で余裕ありの範囲ですが、年収400万円未満の家庭では同じ15万円が5.6%で注意水域に入ります。同じ金額でも判定が変わるので、相場と比べるより、自分の家庭の比率を出すほうが役に立ちます。

1か月で見るか1年で見るか

講習費が重いと感じたとき、足りないのが夏の1か月なのか、1年を通してなのかで打ち手が変わります。夏の1か月だけなら、受講科目を絞る、助成を使う、支払い時期を相談するといった調整で乗り切れます。1年を通して続かないなら、講習を削る前に通年の塾代そのものを見直す段階です。

年間で見るときは、単発支出の水準ではなく、通年の塾代を足した額で判定し直します。たとえば年収500万円の家庭で、通年の塾代が年間30万円、夏期講習が15万円なら、合計45万円は可処分所得384万円の11.7%です。単発の15万円だけなら3.9%で適正範囲でしたが、年間で見ると水準が変わります。

夏期講習の判断で迷ったときは、この2つの数字を並べてください。単発で適正範囲に収まっていても、年間で二桁パーセントに届くなら、夏を削るのではなく通年の組み立てから見直すほうが効果があります。

書籍からの引用

トレードオフ原理

「トレードオフ原理。塾費用を増やすことで、他の何が削られるかを明確に把握します。塾代を上げるなら、住宅費を抑えるのか、老後資金の積み立てを減らすのか、習い事を整理するのか。トレードオフを直視せずに「とりあえず通わせる」という決定は、家計のどこかに歪みを生みます。」

── 『石川メソッド 実践編』より

夏の講習費を増やすと、家計のどこかが減ります。それが今年の旅行なのか、貯蓄のペースなのか、下の子の習い事なのかを先に決めておくと、支払ったあとで「思ったより苦しい」という状態を避けられます。


申し込み前に塾へ質問しておく5つのこと

夏期講習の申し込み前に塾へ質問しておくことは5つです。基本講習料に何が含まれるか、合宿や特訓の参加が必須か任意か、受講科目を絞れるか、実際に支払った総額の目安はいくらか、途中解約とキャンセルはどう扱われるか。この5点を確かめると、提示された金額と実際の請求額の差がなくなります。

料金表に書かれていない費用は、質問しないと教えてもらえないことがあります。能動的に確かめることが、家計を守る一番の方法です。

質問1:基本講習料に何が含まれるか

「この料金には何が含まれていて、何が別途かかりますか」と、書面で確認します。教材費が含まれる塾と別枠の塾があり、模試代や維持費の扱いも分かれます。河合塾の夏期講習のように受講料に教材費が含まれる例もあれば、四谷大塚のように教材費が年間20,000円から40,000円程度で別に案内される例もあります。

質問2:合宿・特訓の参加が必須か任意か

夏期合宿や志望校別特訓は、任意と説明されながら参加が前提になっていることがあります。「過去3年間の参加率はどのくらいですか」「参加しなかった場合、学習の進度にどう影響しますか」と聞くと、実態が分かります。

質問3:受講科目を絞れるか

集団指導の講習は5教科パッケージが基本ですが、科目を選べるコースを用意している塾もあります。個別指導とコマ単価型の塾は、科目とコマ数を自分で決められます。5教科で受けるか、苦手な2科目に絞るかで金額は大きく変わるので、選べるかどうかを先に確かめてください。

質問4:実際に支払った総額の目安

料金表の数字より参考になるのが、実際に支払った家庭の総額です。「昨年この講習を受けた同じ学年のご家庭は、教材費や模試代まで含めていくら払いましたか」と聞くと、提示額との差が分かります。回答を渋る塾は、提示額と実支払額の差が大きい可能性があります。

質問5:途中解約とキャンセルの扱い

講習の途中で合わないと感じたとき、また家計の事情が変わったときに、途中解約ができるか、残りの分が返金されるかを確認します。全額前払いで返金なしという条件の塾もあるため、契約書を読まずに申し込むと選択肢が狭まります。


よくある質問

Q夏期講習の値段はいくらですか?

夏期講習の値段は、指導形態ごとの単価と受講量の掛け算で決まります。公開単価から積み上げると、個別指導が20コマで約49,000円から77,000円、高校生の予備校が5講座で約113,500円、10講座で約227,000円です。集団指導は講習費を公開していない塾が多く、金額は教室での見積もりで確定します。映像授業では東進の夏期特別招待講習のように、講習入会金もテキスト料も無料で受けられる形もあります。

Q中学生の夏期講習の費用はいくらですか?

中学生の夏期講習の費用は、中1・中2と中3で受ける量が大きく変わります。中3は5教科の受験対策になり、日数も科目数も増えるためです。集団指導の講習費を公開している塾は少なく、臨海セミナーも季節講習費は非公開ですが、中学部の月額授業料は中1が3教科17,930円、中2と中3の4月から7月が5教科25,300円、中3の9月から12月が29,700円と全学年公開されているため、年間の支払いの形は事前に把握できます。個別指導では中学生が1講座80分2,990円からという公開単価があり、週3コマを4週受けると12コマで35,880円になります。

Q中3の夏期講習の費用の平均はどれくらいですか?

中3の夏期講習には、出典のはっきりした平均値が見当たりません。集団指導塾が講習費を公開していないため、業界全体の平均を取る材料がないからです。平均を探すかわりに、受ける日数と科目数、合宿や特訓が含まれるか、年間の支払いに占める割合の3点を確かめてください。文部科学省の令和5年度の調査では公立中学校第3学年の年間の補助学習費が390,000円なので、夏期講習が15万円ならその約38%にあたります。

Q塾の夏期講習の費用は学年でどれくらい変わりますか?

塾の夏期講習の費用は、受験学年かどうかで大きく変わります。中3は5教科の受験対策になり、講習の日数も科目数も中1・中2から増えるためです。臨海セミナーの中学部でも、月額授業料が中1の3教科17,930円から中3の9月以降は5教科29,700円へ上がり、1月から3月には入試直前最終特訓の53,240円が加わります。小学生は中学受験をするかどうかで水準が分かれ、高校生は取る講座数で決まります。学年をひとまとめにした平均値ではなく、自分の子の学年で見てください。

Q高校生や予備校の夏期講習の料金はどれくらいですか?

高校生と予備校の夏期講習の料金は、1講座あたりの単価に取る講座数を掛けて決まります。河合塾は1講座90分5回で22,700円(塾生22,200円)を公開しており、5講座で約113,500円、10講座で約227,000円になります。高1生・高2生には500円で受けられる講座もあります。東進の夏期特別招待講習は最大3講座から4講座を無料で受けられ、講習入会金もテキスト料もかかりません。臨海セミナーの大学受験科は高3が1講座11,000円からで、複数講座のパック割引があります。

Q夏期講習の費用には何が含まれていますか?

夏期講習の費用に含まれる範囲は塾によって分かれます。河合塾の夏期講習は受講料に教材費と消費税が含まれますが、四谷大塚は講習費が別途で、教材費も小4から小6で年間20,000円から40,000円程度が別に案内されています。臨海セミナーは授業料とは別に入塾金・登録手数料・維持費・模擬試験代・教材費・各種講座料がかかります。個別指導キャンパスは入会金が不要で、教材費が1冊1,000円から3,000円程度です。申し込む前に、教材費・模試代・維持費・合宿費のそれぞれが含まれるかを書面で確かめてください。

Q夏期講習の費用は年間の塾代のどれくらいを占めますか?

夏期講習が年間の塾代に占める割合は、学年によって1割から5割です。文部科学省の令和5年度の調査によると、塾に通う家庭の年間の学習塾費は公立小学校で193,000円、公立中学校で349,000円、公立高等学校で381,000円です。中1・中2の夏期講習が3万円から8万円なら年間の約9%から23%、中3が5万円から20万円なら公立中学校第3学年の補助学習費390,000円に対して約13%から51%になります。受験学年では年間の半分近くが夏に出ていくため、年度の初めに確保しておくのが現実的です。


まとめ:石川メソッドで夏期講習の値段を判断する

夏期講習の値段は、相場と比べるのではなく、公開単価から自分の家庭の金額を出し、年間の塾代と世帯の手取りに対する比率で判定します。臨海セミナーのように全学年の月額を公開している塾なら、講習費が非公開でも年間の支払いの形は把握できます。

この記事で扱った判断の順序を、3つのステップに整理します。

STEP 1

単価と受講量から自分の金額を出す

相場を探すのをやめて、通っている塾(または候補の塾)の単価と、受ける日数・科目数・講座数を確かめます。個別指導は1コマ2,470円から、予備校は1講座90分5回で22,700円という公開単価があり、掛け算で総額が出ます。集団指導は公開していない塾が多いので、教室で見積もりを取ります。

STEP 2

年間の塾代に並べて位置を確かめる

出した金額が、年間の塾代のどれくらいを占めるかを見ます。塾に通う公立中学生の年間の学習塾費は349,000円、公立中3の補助学習費は390,000円です。中1・中2で1割から2割、中3で3割から5割が目安の範囲になります。

STEP 3

世帯の手取りに対する比率で判定する

可処分所得に対して3%未満なら余裕あり、3%から5%なら適正範囲、5%から8%なら注意水域、8%を超えるなら危険水域です。範囲を超えるときは、受講科目を絞る、自治体の助成を使う、授業料無料の体験を活用する、という順で打ち手を検討します。

塾を選ぶ段階なら、料金の示し方の型を先に見てください。臨海セミナーのように全学年・全コースの月額を公開している塾は、講習費が非公開でも年間の支払いの形を事前に組み立てられます。個別指導キャンパスのようにコマ単価を公開している塾は、総額を自分で計算できます。値段そのものより、値段を事前に把握できるかどうかが、家計の見通しを左右します。

講習費をご家庭の状況に当てはめて考えたい方に向けて、認定アドバイザー 石川 恵美のプロフィールページに相談の窓口を置いています。判定の実例は石川 恵美のnoteでも公開しています。

石川 恵美

この記事を書いた人

石川 恵美

日本進学教育研究機構認定 教育費アドバイザー

教育費を専門領域とするファイナンシャル・プランナー。大手保険会社で10年間勤務後に独立。教育費相談を年間200件以上受ける中で、学習塾の費用構造に特化した分析を開始。著書『石川メソッド ── 払える、より、払い続けられる。』(Kindle、2026年5月刊)。