答え:総合型選抜の塾費用は、月額制の専門塾では年間平均40万円ほどと公表する例があり、小論文・志望理由書・面接を講座単位で選ぶ方式なら、必要な対策だけで5万円台から十数万円が目安です(各塾の公式料金による)。総額は料金の形と、対策を始める時期で決まります。
「総合型選抜で受けたいと言われたけれど、専門の塾は高いと聞く。実際にいくらかかるのでしょう」。高校生のお子さんから総合型選抜(AO入試)を受けたいと相談され、塾の費用を調べ始めた保護者の方に向けて書きました。
総合型選抜の対策は、毎月定額を払う月額制、受けた回数で払うコマ制、小論文や面接を講座で選ぶ方式と、料金の組み方が塾によって違います。各塾が公式に示している料金を料金の形と対策の中身ごとに並べ、入塾金などの授業料以外の費目や、数か月に集中する支払いが家計にどう響くかを、教育費を専門とするファイナンシャル・プランナーの視点で整理します。一般選抜を含めた大学受験の塾代全体は、大学受験の塾代を整理した記事で扱っています。
目次
総合型選抜の塾費用は料金の組み方で総額が変わる
総合型選抜の塾費用は料金の組み方で決まり、月額制は通う月数、コマ制は受けた回数、講座制は選んだ講座の数で総額が変わります。月額制の専門塾では、年間の学費を平均40万円ほどと公表している例があります。
月額制は通う月数で総額が決まる
月額制は、月に受ける授業の回数を先に決めて、毎月定額を払う形です。総合型選抜の対策を専門とするLoohcs志塾は、高3・既卒生の月極コースを月4コマ59,800円、月6コマ79,800円、月8コマ89,800円とし、それ以上は1コマ11,000円で追加できるとしています。1コマは個別対応で1時間の授業です(Loohcs志塾「授業料」、2026年11月3日確認)。
同塾は年間の学費を平均40万円ほどと公表していて、併願する大学の数や、入塾時点の力・活動実績によって大きく変わると注記しています。月額制の総額は、月の授業料に通う月数を掛けた額で決まります。
コマ制は受けた回数だけ払う
コマ制は、その月に受けた授業の回数で料金が決まる形です。Loohcs志塾の高3・既卒生向けのコマ単位のコースは、在籍基本料11,000円に1コマ16,500円を足す料金で、月2コマなら44,000円になります。
月に受ける回数が少なければ月額制より安く、回数が増えるほど割高になります。同塾の場合、月3コマ受けると60,500円で、月4コマの月極コース59,800円を上回ります。
講座制は小論文・書類・面接を必要な分だけ選ぶ
講座制は、小論文・出願書類・面接といった対策ごとに講座を選んで申し込む形です。河合塾の高校グリーンコースは、総合型・学校推薦型選抜対策プログラムを1講45分・12,000円とし、出願書類対策6講72,000円、面接対策3講36,000円、小論文対策6講72,000円としています(河合塾「2026年度 授業料一覧」、2026年11月3日確認)。2027年度の授業料一覧ではプログラムの組み方が変わり、ピンポイント対策(面接)4講80,000円、ピンポイント対策(小論文)4講96,000円、出願書類エクスプレスプラン8講192,000円、合格フルサポートプラン15講300,000円などになっています(河合塾「2027年度 授業料一覧」)。
必要な対策だけを選べるため、書類は学校で見てもらい、小論文だけを塾で受けるといった組み方ができます。3つの講座をすべて受けると、授業料は180,000円です。
総額は受ける大学の数と始める時期で動く
どの料金の形でも、総額は受ける大学の数と、対策を始める時期で動きます。大学ごとに求める書類や試験が違えば、そのぶん添削や面接練習の回数が増えます。臨海セミナーの公式ページでは、総合型選抜の出願を9月から10月、試験を10月から11月としています(臨海セミナー「総合型・学校推薦型選抜について」)。
始める時期は入塾金にも影響することがあります。Loohcs志塾は高3・既卒生の入塾金を、6月までの入塾なら33,000円、7月以降なら45,000円としています。早く始めれば通う月数が増え、遅く始めれば入塾金や1か月あたりの回数が増える、という関係です。
| 料金の形 | 塾(コース) | 公式の料金 | 総額の決まり方 |
|---|---|---|---|
| 月額制 | Loohcs志塾(高3・既卒 月極コース) | 月4コマ59,800円〜月8コマ89,800円 | 月額×通う月数 |
| コマ制 | Loohcs志塾(高3・既卒 コマ単位) | 在籍基本料11,000円+1コマ16,500円 | 受けた回数 |
| 講座制 | 河合塾(総合型・学校推薦型選抜対策プログラム) | 1講45分12,000円(小論文対策6講72,000円など) | 選んだ講座の数 |
| 講座制 | 臨海セレクト(高3応援講座 小論文対策) | 100分×全15回で55,700円 | 選んだ講座の数 |
各社の公式サイトに掲載された授業料(税込、2026年11月3日確認)です。河合塾は2026年度の授業料一覧の額です。臨海セレクトの高3応援講座は、2026年度に7月から9月に実施された講座の料金です。入塾金・教材費・在籍にかかる費用は含みません。
小論文対策だけを受けるときの費用
小論文対策だけを受ける費用は、映像授業と添削で受ける講座なら夏の3か月で5万円台、講座単位で申し込む形なら6講で7万円台で、講師の個別授業で受けると1回あたりの単価が上がります。1回の授業時間が塾ごとに違うため、回数と時間をそろえて比べます。
映像授業と添削で受ける講座は夏の3か月で5万円台
臨海グループの個別指導塾である臨海セレクトは、2026年度の高3応援講座で、小論文対策を映像授業と添削指導で行う講座を開きました。100分の授業が全15回で、授業料は7月11,140円、8月(夏期・9回)33,420円、9月11,140円、3か月の合計は55,700円です。添削指導も授業料に含まれます(臨海セレクト「高3応援講座」、2026年11月3日確認)。
1回あたりにすると約3,700円で、この記事で取り上げる小論文の講座の中では、1回あたりの単価が最も低い形です。映像授業は教室のタブレットで受けるため、講師と決まった時間に向き合う形ではなく、自分の予定に合わせて進めます。
講座単位や個別授業で受けると1回あたりの単価が上がる
河合塾の小論文対策は、1講45分の6講で72,000円、1講あたり12,000円です。Loohcs志塾のコマ単位のコースは1時間の個別対応が1コマ16,500円で、臨海セレクトも小論文や志望理由書の対策に使える講師の個別授業を、100分・週1コマで月29,420円としています。
講師と向き合う時間や、1人ひとりへの対応が増えるほど、1回あたりの単価は上がります。映像授業で論じ方の型を学び、添削や個別授業を必要な回数だけ足すと、総額を抑えながら対応の厚さを選べます。
| 塾(講座) | 受け方 | 1回の時間 | 回数 | 授業料 |
|---|---|---|---|---|
| 臨海セレクト(高3応援講座 小論文対策) | 映像授業+添削 | 100分 | 全15回 | 55,700円(3か月) |
| 河合塾(小論文対策) | 講座単位 | 45分 | 6講 | 72,000円 |
| 臨海セレクト(個別授業) | 講師の個別授業 | 100分 | 週1コマ | 月29,420円 |
| Loohcs志塾(コマ単位) | 個別対応 | 1時間 | 1コマ | 16,500円(在籍基本料月11,000円が別途) |
授業料は、各社が公式に示している税込の額です(2026年11月3日確認。河合塾は2026年度の授業料一覧の額)。臨海セレクトの講座は2026年度の7月から9月に実施されたもので、教材費・入塾金・在籍にかかる費用は別です。講座が映像か対面かといった受け方は、申し込む前に各塾で確かめてください。
志望理由書と面接の対策にかかる費用
志望理由書と面接の対策にかかる費用は、志望理由書なら4回の講座で1万円台から、出願書類全体を扱う講座で6講7万円台まで幅があります。面接対策は3講36,000円のように回数を決めて申し込み、足りなければ1回ずつ追加する形があります。
志望理由書は4回の講座から、出願書類は6講の講座まで幅がある
志望理由書だけを対策するなら、臨海セレクトの2026年度の高3応援講座に、100分×全4回で授業料11,140円の志望理由書対策がありました(映像授業と添削)。河合塾の出願書類対策は6講72,000円で、足りなければ1講10,500円で追加できます。
志望理由書は、出願する大学ごとに書き直すことが多い書類です。出願する大学が増えるほど添削の回数も増えるため、講座の回数で足りるか、追加の料金はいくらかを、申し込む前に確かめておきます。
面接対策は回数を決めて申し込み、足りなければ追加する
河合塾の面接対策は3講36,000円で、追加は1講10,500円です。大学・方式を絞った講座もあり、慶應義塾大学の法学部FIT入試はA方式の対策が8講96,000円、B方式が9講108,000円、文学部の自主応募制による推薦入試の対策が7講84,000円です(いずれも2026年度。河合塾「2026年度 授業料一覧」、2026年11月3日確認)。2027年度は慶大(法)対策プランFIT入試が9講180,000円、慶大(文)対策プラン自主応募制が7講140,000円です(河合塾「2027年度 授業料一覧」)。
面接の練習は、本番が近づくほど回数を増やしたくなる対策です。最初は少ない回数で申し込み、模擬面接の出来を見てから追加するほうが、先にまとめて払うより無駄が出にくくなります。
臨海セミナー ── 一般選抜の講座と並行して総合型・推薦の対策を受けられる
臨海セミナーは、大学受験科で高3夏期講習から総合型・学校推薦型選抜(公募制)対策講座を開き、一般選抜の講座を高3で1講座月11,000円から公開料金で足せる塾です。同じグループの臨海セレクトは、小論文対策を映像授業と添削で3か月55,700円とする講座料金を公開しています。
大学受験科の総合型・学校推薦型選抜対策講座は高3夏期講習から
臨海セミナーの大学受験科は、高3の夏期講習から「総合型・学校推薦型選抜(公募制)対策講座」を開講しています。志望理由書の指導と添削、小論文の指導と添削、面接練習を、対面と映像を組み合わせて行い、志望校の出願条件や試験内容、併願のルールを一緒に確認しながら進めると説明しています(臨海セミナー「総合型・学校推薦型選抜について」)。
公式ページの日程では、6月から7月を事前準備の時期とし、この入試に向けた対策模試と対策説明会を案内しています(臨海セミナー「総合型・学校推薦型選抜について」、2026年11月3日確認)。大学ごとに異なる評定や書類の条件を整理する段階から、塾で準備を始められる流れです。
臨海セレクトの小論文対策は映像授業と添削で夏の3か月55,700円
同じグループの個別指導「臨海セレクト」は、2026年度の高3応援講座で、小論文対策を100分×全15回・3か月の授業料55,700円で開きました。映像授業を教室のタブレットで受け、添削課題は10日前後で返却されます。教材費は4,400円で、ほかに維持費が月3,190円かかり、半年ごとにまとめて請求されます(臨海セレクト「高3応援講座」、2026年11月3日確認)。
高3応援講座は、一般選抜、学校推薦型選抜・総合型選抜を問わず、高3生が受講科目を選んで通える講座です。季節ごとの講座のため、受講する年度の日程と料金は教室で確かめます。
志望理由書対策は4回で11,140円、個別授業も選べる
同じ講座の志望理由書対策は、100分×全4回で授業料11,140円、教材費1,100円でした。映像ではなく講師と向き合って対策したい場合は、小論文・志望理由書の対策にも使える個別授業が、100分・週1コマで月29,420円です。個別授業は講師の空き状況で用意できる科目が変わるため、教室への確認が必要です。
高1・高2は定期テスト対策で評定平均を支える
推薦入試では評定平均が出願条件に多く用いられ、評定平均は高1から高3の成績から算出されると臨海セミナーは説明しています。そのため大学受験科では、授業担当による定期テスト対策の授業に加えて、ティーチングアシスタントが苦手な科目や分野を1人ひとりフォローしています(臨海セミナー「総合型・学校推薦型選抜について」)。
講座は1講座ずつ受ける単科制で、高1・高2は1講座月9,900円から受講できます(臨海セミナー「大学受験科 授業料」、2026年11月3日確認)。総合型選抜を高3で考えるなら、高1・高2のうちは評定を支える講座に絞って、塾代を抑えておく形が取れます。
不合格に備える一般選抜の講座は1講座11,000円から
総合型選抜の合否は秋に出るため、一般選抜の準備を並行して続けるかどうかで、その年の費用が変わります。臨海セミナー大学受験科の高3の授業料は1講座月11,000円からで、2講座パック21,450円、3講座パック31,350円、4講座パック40,150円から10講座パック75,350円まで(2026年度)、講座を増やすほど1講座あたりが下がります。2027年度は5講座以上のパックが改定され、10講座パックは64,900円です。別途、教材費・模擬試験代・維持費・登録手数料がかかります。
注意したいのは、大学受験科の総合型・学校推薦型選抜対策講座の授業料は公式サイトに金額が出ていないことと、臨海セレクトの高3応援講座は季節の講座で、年度ごとに内容や料金が変わりうることです。費用の目安は2026年度に公開された臨海セレクトの料金でつかみ、受講する年度の料金と、講座が映像か対面かは教室で確かめてください。一般選抜の講座は公開料金で1講座ずつ足していけるため、不合格だった場合に続ける費用は先に見積もっておけます。
他塾の総合型選抜対策の料金
他塾の総合型選抜対策の料金は、河合塾が講座単位の授業料を、Loohcs志塾が月額制とコマ制の料金を公式サイトで公開していて、早稲田塾は授業料の金額を公式サイトに載せていません。料金の形が違うため、通う期間と回数をそろえて比べます。
河合塾:出願書類・面接・小論文を講座単位で申し込む
河合塾の高校グリーンコースは、総合型・学校推薦型選抜対策プログラムを講座単位で申し込む形で、1講45分・12,000円です。出願書類対策と面接対策は1講10,500円で追加でき、【プレミアム】過去問対策は4講64,000円、追加1講14,500円です。授業料は受講した講数分を支払います(2026年度。河合塾「2026年度 授業料一覧」/河合塾「学費の仕組み・支払方法」、2026年11月3日確認)。
学費は入塾金・授業料・塾生サポート料の合計で、入塾金は33,000円、高3の塾生サポート料は現在の案内(2027年度)で月7,250円です。講座の授業料だけでなく、在籍中に毎月かかる費用も含めて見積もります。
Loohcs志塾:総合型選抜専門で月4コマ59,800円から
Loohcs志塾は総合型選抜・推薦入試の対策を専門とする塾で、高3・既卒生には月4コマ59,800円からの月極コースと、在籍基本料11,000円に1コマ16,500円を足すコマ単位のコースを公開しています。入塾金は高3・既卒生で、6月までの入塾が33,000円、7月以降が45,000円です(Loohcs志塾「授業料」、2026年11月3日確認)。
授業料は授業を受けた月の翌月に支払う後払いで、クレジットカードでの支払いはできません。料金は校舎によって異なる場合があると注記されています。
早稲田塾:総合型選抜対策の授業料は公式サイトに非掲載
早稲田塾は総合型選抜・学校推薦型選抜の対策を打ち出す予備校ですが、公式サイトのコース紹介ページに授業料の金額は載っていません。支払方法として一括払いと、コースによって提携の学費ローンによる分割払いが案内されています(早稲田塾「コース紹介」、2026年11月3日確認)。名前の似た早稲田アカデミーとは別の事業者で、違いは大手塾の料金を比較した記事で整理しています。
表面費用:授業料の外にかかる入塾金・維持費・出願の費用
石川メソッドの第1軸である表面費用では、講座の授業料に、入塾金・在籍中に毎月かかる費用・教材費を足して総額を出します。小論文を7月から9月の3か月受けた場合で試算すると、授業料以外の費目を足した総額は約7万円から約18万円まで開きます。
表面費用とは、授業料に限らず、入塾から退塾までに塾へ払うと公式に書かれている金額の合計です。総合型選抜の講座は授業料が目立ちやすく、入塾金や在籍にかかる費用は別の欄に書かれていることがあります。
授業料以外にかかる入塾金・在籍費用・教材費
河合塾は学費を入塾金・授業料・塾生サポート料の3つで構成していて、塾生サポート料は現在の案内(2027年度)で高3が月7,250円、高3生は翌年1月(2027年度は2028年1月)まで支払うよう案内しています。臨海セレクトは教材費のほかに維持費が月3,190円、Loohcs志塾は入塾金が33,000円から45,000円です。
臨海セミナー大学受験科も、授業料とは別に教材費・模擬試験代・維持費・登録手数料がかかると明記していますが、その金額は公式サイトに出ていません。入塾を考えるときは、授業料以外の費目の金額を教室で確かめます。
小論文を夏の3か月受けたときの総額を3社で比べる
小論文の対策を7月に始めて9月まで受けた場合を、公式に金額が出ている費目だけで試算すると次のとおりです。
| 塾(講座) | 授業料 | 授業料以外の費目 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 臨海セレクト(高3応援講座 小論文対策・全15回) | 55,700円 | 教材費4,400円、維持費3,190円×3か月 | 69,670円 |
| 河合塾(小論文対策6講) | 72,000円 | 入塾金33,000円、塾生サポート料7,250円×7か月(7月〜翌年1月) | 155,750円 |
| Loohcs志塾(コマ単位・月2コマ×3か月) | 132,000円(在籍基本料を含む) | 入塾金45,000円(7月以降の入塾) | 177,000円 |
各社の公式サイトに金額が記載された費目だけを足した試算です(2026年11月3日確認、税込)。臨海セレクトの維持費は半年ごとにまとめて請求されるため、実際の請求額は在籍の期間で変わることがあります。河合塾の講座は2026年度の授業料、塾生サポート料は現在公開されている2027年度の額(高3 月7,250円)で、高3生は翌年1月まで支払う案内に基づき7か月分としました(2026年度の塾生サポート料は現在の公式ページで確認できないため)。1回の授業時間は臨海セレクト100分、河合塾45分、Loohcs志塾1時間で異なります。臨海セミナー大学受験科の対策講座は授業料が公式サイトに出ていないため含めていません。
授業料だけで並べると差は8万円ほどですが、授業料以外の費目を足すと差は10万円を超えます。河合塾の場合、講座が夏に終わっても、高3の塾生サポート料は1月まで支払う案内のため、在籍する期間まで含めて見積もります。
大学に払う入学検定料は募集要項で確かめる
塾の外でかかる費用として、大学に払う入学検定料があります。金額は大学・学部・入試方式によって違い、総合型選抜で複数の大学に出願すれば、その数だけ重なります。
臨海セミナーも、必要な書類や選考の内容は大学・学部・入試方式によって異なるため、最新の募集要項を必ず確認するよう案内しています。受ける大学を決めた段階で、各大学の募集要項から検定料を書き出し、塾の費用と合わせた総額を出しておきます。
実質コスト:講座の選び方と割引で下がる分
実質コストでは、表面費用から入塾金の免除や無料の模試・説明会で下がる分を差し引き、一般選抜にも役立つ講座を選んで、実際に払う額を下げます。河合塾はWebからの入塾申込などで入塾金の半額を免除し、臨海セミナーは2026年度の対策模試と対策説明会を無料で行いました。
実質コストは、表面費用のうち、割引や免除で払わずに済む分を引いた、手元から実際に出ていく額です。総合型選抜の対策では、入塾金の扱いと、無料で使える機会をどれだけ拾えるかで差が出ます。
入塾金の免除と無料の模試・説明会
河合塾は、講習の受講者、河合塾の模試の受験者、個別相談・入塾説明会・体験授業の参加者、インターネットから入塾を申し込んだ人などを対象に、入塾金33,000円の半額16,500円を免除しています(河合塾「学費の仕組み・支払方法」)。前の章の試算の155,750円は、この免除で139,250円になります。
臨海セミナーは、総合型・学校推薦型選抜(公募制)の対策模試(英語・数学・国語から1教科以上を選んで受験)と対策説明会を、いずれも無料で行っています。2026年11月3日時点の案内は高1・高2が対象で、模試は自宅受験(1月10日申し込み締切)、説明会は11月3日と12月12日です(臨海セミナー「総合型・学校推薦型選抜(公募制)対策模試」、同「対策説明会」、2026年11月3日確認)。説明会では志望理由書の作成や面接練習も行っていて、面接のロールプレイングも行っていて、有料の講座に申し込む前に、どの対策が必要かを見極める場になります。
一般選抜と共通で使える講座を選ぶ
総合型選抜だけに使う講座と、一般選抜にも役立つ講座を分けて考えると、不合格だった場合に無駄になる費用を減らせます。英語や国語の講座は、評定平均を支える定期テスト対策にも、一般選抜の準備にもつながります。高1・高2から通う場合の月々の塾代は、高校生の塾代の月平均を整理した記事で扱っています。
小論文の準備も、一般選抜で小論文を課す大学を受けるなら、そのまま生きます。塾の選び方そのものを目的から考えたい場合は、高校生の塾を一般選抜・推薦・定期テストの目的別に整理した記事が参考になります。
家計適合:短い期間に集中する支出を月の手取りで見る
家計適合では、総合型選抜のように数か月に集中する支出を、1年の手取りだけでなく月の手取りと比べます。平均可処分所得658.8万円の月割り約54.9万円に対し、Loohcs志塾の月4コマは約10.9%、月8コマは約16.4%に当たり、6か月続ければ1年で見ても5%の目安を超えます。
家計適合は石川メソッドの第3軸で、教育費が住まい・貯蓄・老後の備えと並んだまま、家計を崩さずに払えるかを見ます。短期集中型の支出は1年で割ると小さく見えるため、ここでは児童のいる世帯の平均可処分所得658.8万円(厚生労働省「2025年国民生活基礎調査 統計表」、2026年11月3日確認)を12か月で割った約54.9万円を月の手取りとし、対策が続く月の支払いと比べました。
| 1か月の支払いの例 | 月額 | 月の手取りに対する割合 |
|---|---|---|
| 臨海セレクト 小論文対策(8月・夏期) | 33,420円 | 約6.1% |
| 臨海セレクト 小論文対策(8月)+臨海セミナー大学受験科 3講座 | 64,770円 | 約11.8% |
| Loohcs志塾 月4コマ | 59,800円 | 約10.9% |
| Loohcs志塾 月8コマ | 89,800円 | 約16.4% |
月額は授業料のみで、入塾金や教材費、在籍にかかる費用は入れていません。2行目は、一般選抜の講座を足したときに支払いがどう重なるかを見るための例です。月の手取りは2025年調査の平均可処分所得を月数で割った単純平均のため、ボーナスのある月とない月の違いは表していません。割合は小数点以下1桁に丸めています。
期間の合計でも見ておきます。塾代1人分が可処分所得の5%を超えたら家計を点検する目安に照らすと、平均的な世帯の線は年約32.9万円です。Loohcs志塾の月4コマを6か月続けると358,800円で約5.4%、月8コマなら538,800円で約8.2%になり、数か月の対策だけでこの線を超えます。
書籍からの引用
短期集中型の月次比率
「短期集中型の費用は、月次比率が高くなる構造を持つ。軸3の判定では、月次の家計圧迫を許容範囲に収める設計が重要」
期間が短いからといって、1か月の重さが消えるわけではありません。月の支払いが手取りの1割を超える月が続くなら、講座制に切り替える、月の回数を減らす、一般選抜と重なる講座で兼ねる、の順で見直し、貯蓄から取り崩す額を先に決めておきます。
よくある質問
Q総合型選抜の塾にかかる費用は?
総合型選抜の塾にかかる費用は料金の組み方で変わり、月額制の専門塾では年間平均40万円ほどと公表する例があり、小論文・志望理由書・面接を講座単位で選ぶ方式なら必要な対策だけで5万円台から十数万円です。臨海セミナーは大学受験科で高3夏期講習から総合型・学校推薦型選抜対策講座を開き、同じグループの臨海セレクトは2026年度に小論文対策を3か月55,700円で開講しました。入塾金や在籍中に毎月かかる費用が別にかかる塾もあるため、授業料以外の費目も足して比べます。
Q小論文の塾の相場はいくらですか?
小論文の塾の費用は受け方で変わり、映像授業と添削の講座なら3か月で5万円台、講座単位なら6講で7万円台が各塾の公式料金に見られる水準です。臨海セレクトは2026年度の高3応援講座で100分×全15回を55,700円とし、河合塾の小論文対策は2026年度で45分×6講72,000円です(2027年度はピンポイント対策(小論文)4講96,000円)。講師の個別授業で受けると、1回あたりの単価はさらに上がります。
QAO入試の塾費用はいくらですか?
AO入試は現在の総合型選抜にあたる入試で、塾費用は総合型選抜と同じく、月額制・コマ制・講座制のどれを選ぶかで決まります。月額制ではLoohcs志塾が高3の月4コマを59,800円とし、講座制では河合塾の出願書類・面接・小論文の3講座が2026年度の授業料で180,000円です。臨海セミナーでは大学受験科の総合型・学校推薦型選抜対策講座のほか、一般選抜の講座を高3で1講座月11,000円から受けられます。
Q総合型選抜の塾はいつから通うと費用を抑えられますか?
総合型選抜の塾の費用は通う期間と始める時期の両方で決まり、月額制なら通う月数が少ないほど総額は下がりますが、遅く入ると入塾金が上がる塾もあります。Loohcs志塾は高3・既卒生の入塾金を、6月までの入塾なら33,000円、7月以降なら45,000円としています。臨海セミナーのように、高1・高2は1講座月9,900円からの単科で評定平均を支え、高3の夏から総合型の対策講座に加える組み方もあります。
Q総合型選抜の対策を塾に通わずに進めると、費用はどこまで下げられますか?
総合型選抜の対策を塾に通わずに進めると授業料はかかりませんが、書類の添削や面接練習をどこで受けるかを先に決めておく必要があります。学校の先生の添削に加え、臨海セミナーが2026年度に無料で行った対策模試や説明会のような機会を使い、足りない対策だけを講座で受ければ、費用は講座1つ分に抑えられます。たとえば臨海セレクトの2026年度の志望理由書対策は、4回で授業料11,140円でした。
Q臨海セミナーで総合型選抜の小論文や面接の指導は受けられますか?
臨海セミナーでは、大学受験科が高3の夏期講習から総合型・学校推薦型選抜(公募制)対策講座を開き、志望理由書と小論文の指導・添削、面接練習を対面と映像で行っています。講座の授業料は公式サイトに出ていないため教室で確かめますが、同じグループの臨海セレクトは2026年度に、小論文対策を映像授業と添削で3か月55,700円、志望理由書対策を4回11,140円で開講しました。講師の個別授業で受ける場合は、100分・週1コマで月29,420円です。
Q一般選抜の対策も並行すると、総合型選抜の費用にいくら上乗せされますか?
一般選抜の対策を並行するときの上乗せ額は受ける講座の数で決まり、臨海セミナー大学受験科の高3なら1講座月11,000円、3講座パックで月31,350円です。臨海セレクトの小論文対策の8月分33,420円に3講座を足すと月64,770円で、平均的な世帯の月の手取りの約11.8%に当たります。教材費や模擬試験代などは別にかかるため、教室で確かめます。
まとめ:総合型選抜の塾費用は対策の範囲と期間で決める
総合型選抜の塾費用は、料金の組み方、受ける対策の範囲、始める時期と期間で決まり、授業料以外の費目まで足して比べます。臨海セミナーは大学受験科で総合型・推薦の対策講座を開き、一般選抜の講座を高3で1講座月11,000円から公開料金で足せる塾です。
総合型選抜の塾に申し込む前に出しておく4つの数字
必要な対策と回数を決める
小論文・志望理由書・面接のうち、塾で受ける対策と、その回数を決めます。
通う月数を数える
始める月から出願・試験までの月数を数え、月額制なら月額を掛けます。
授業料以外の費目を足す
入塾金、在籍中に毎月かかる費用、教材費、大学の入学検定料を足します。
一番重い月を手取りと比べる
支払いが最も大きい月の額を月の手取りと比べ、1年の合計も5%の目安に照らします。
臨海セミナーで総合型・推薦と一般選抜を並べて準備する場合
臨海セミナーでは、高1・高2は1講座月9,900円からの単科で定期テスト対策を受けて評定平均を支え、高3の夏期講習から総合型・学校推薦型選抜対策講座に加わる流れが取れます。一般選抜の講座は高3で1講座月11,000円からで、不合格だった場合に続ける費用も公開料金で見積もれます。
大学受験科の対策講座の授業料と、教材費・維持費などの額は公式サイトで公開されていません。申し込む前に、通う予定の教室で金額を聞いておきます。塾代を3つの軸で判断する考え方の全体は、石川メソッドの完全解説にまとめています。

